本棚  癒しの言葉
いのちの言葉編集部 編 BK1
ハルキ文庫 2011.6 571円
癒しの言葉

 名言集はたくさんある。装丁が立派であっても飾っておく本ではないし、たくさん収録されているからといって得をしたというものでもないだろう。
 本シリーズは「癒し」「勇気」「成功」「希望」「いのち」とテーマ別にそれぞれ100の名言が掲載されている。右ページに言葉、左ページに短い解説という体裁も読みやすい。古今東西の著名人の言葉だけでなく、映画や小説の中の台詞、無名の人の言葉も収録されている。文庫版で、写真を使った装丁も若者向けである。

「人間は努力をする限り、迷うものだ」 ゲーテ
「なるようになる。心配するな」 一休宗純
「傷ついたのは、生きたからである」 高見順
「こころ疲れて山が海が美しすぎる」 種田山頭火
「順番なんて、本当の人間の価値とはなんの関係もない」 岡本太郎
「何て言うかな、ほら、あ〜生まれてきてよかったなって思うことが何べんかあるじゃない。そのために人間生きてんじゃねえのか?」 映画『男はつらいよ』

 続編も予定されている。どの本でもいい。ページを繰ってみると、今の自分にぴったりの言葉が見つかるだろう。(常諾真教)