▼「沈黙は金」という諺がある。しかし、次の沈黙は果たして金だろうか。子どもと話し合いをする。時として、それは、トラブルや授業という場面。質問の意味や答え方が分からない時など、沈黙が続く。なぜ沈黙するのか理由が分からないので、気持ちを推し量って大人の方が話を続ける。まさに子どもにとっては沈黙は金である。

▼英語の授業。米国の指導者が授業をした。日本語が通じない。何かを指示した。子ども達には理解ができない。沈黙が続く。その気持ちを推測して担任が「絵を見て感想を言ってほしい」という意味のことを説明した。その後、沈黙が続く度に解説と説明が続いた。英語の授業である。活動はそれほど難しくない。しかし、黙っていれば、それほど苦労をすることなく授業が進んでいく。

▼授業を見ていて、子ども達に必要なことは「分からない」を伝えることであり、「教えて下さい」と乞うことであろうと思った。担任が説明をするのでなく、自らの言葉で伝える英語を米国の教師に教えてもらうことであろうと。

▼国語科の授業でも同じことがある。発問や指示に対して子ども達は分からないと沈黙をする。その様子を見て、解説や説明を加える。しかし、国語であっても「分からないので教えて下さい」と言える言葉を持つことが大切であろうと思うこの頃。(吉永幸司)