社会科から見た言語活動
北 島 雅 晴

 現在担任している6年生では、教科担任制に取り組んでいる。私は自分の学級も含め、4学級12時間、社会科の授業を担当している。国語の授業は、週2時間程度しか受け持っていないのが寂しくもあるが、1つの教科に専念できるのが楽しい。もともと歴史が好きだったので、歴史の本を読むことが、日々の授業につながるのがうれしい。

 社会科の授業を進める上で、大切にしていることが4つある。
 (1) 社会科の教科書をきちんと読ませること。
 (2) 大事な事柄をていねいにノートにまとめさせること。
 (3) 毎時間のはじめに、ミニテストを行い、基礎知識の定着を図ること。
 (4) 毎時間10分程度は、歴史に興味がもてそうな話をすること。

 このうち、(1)と(2)について取り上げたい。  社会科の教科書の文章は、国語に比べて内容が難しい。必ず2回は読むように指示している。そして、大事な言葉に線を引く。
 ○分かったことは何か。
 ○分からないことはないか。
 ○どんなことが書かれていたか。
といったことで発表する中で、大事な内容をしぼっていく。

 例えば、「聖徳太子の政治」についてでは、段落ごとに書かれていることを整理すると、
 1.聖徳太子についての説明
 2.十七条の憲法の説明
 3.冠位十二階の説明
となる。
 教科書に書かれた内容を確認したら、この項目(意味段落)にしたがって、ノートにまとめさせる。最低限、十七条の憲法や冠位十二階の説明を書くとともに、それらにどんな意味があったのかを考えさせることもある。ノートにまとめるのはそんなに楽しいことではないが、3か月もたつと、当たり前のように書くことができるようになる。色分けをしたり、項目ごとに整理したり、まとめ方の工夫も見られるようになる。

「じつは、これだけ活躍した聖徳太子ですが、なくなるまでの15年間は、全く記録が残っていません。このことから、どんなことが考えられますか。1つは、当時の最高権力者であった蘇我馬子と対立したということも予想されます。……」
 授業のおわり10分程度は、歴史に興味がもてる話をするようにしている。子どもたちは、この時間を一番楽しみにしているし、教師がどれだけ勉強しているかが問われる時間でもある。一方、国語の専門的な知識については、今まで考えたこともなかった。
(草津市立志津小)