本棚  祈りと希望
「祈りと希望」実行委員会 編 BK1
経済界 2011.4 952円
祈りと希望

 3月11日の東日本大震災の後、ツィッター上に広がったことばを集めたものである。

 日頃は当たり前で気にもとめないことが、非常時になって貴重なことだと気づく。
《今思った。いい暮らし、贅沢な暮らしをしてるんじゃない。普通の暮らしをしてたんだ。それが今、贅沢な暮らしだなって思うようになったんだと思う。》
《駅員さんに「昨日一生懸命電車を走らせてくれてありがとう」って言っている小さい子達を見た。駅員さん泣いてた。俺は号泣してた。》

 暴動も略奪も起こらないことに驚いている外国メディアの報道があった。
《バイト中に地震があってほぼ満席の状態からお客さんに外に避難してもらいました。食い逃げ半端ないだろうな、と思っていたが、ほとんどのお客さんが戻ってきて会計してくれました。ほんの少しの戻られなかったお客さんは今日わざわざ店に足を運んでくださいました。日本ていい国。》

 誰もが自分にできることをする。そのことに感動する。
《…夜の21時くらいなのに、ビルの前で会社をトイレと休憩所として開放してる所があった。社員さんが大声でその旨を歩く人に伝えていた。感動して泣きそうになった。》

 落ち込んだ時、心がなえた時に元気がもらえる本。(常諾真教)