高学年に発表させる取り組み(1)
藤 井 隆 一

 久しぶりの高学年(5年生)担任である。5年生といえば低学年と違い発表しない時期にさしかかる。なぜ、発表しないのか。
・恥ずかしいから
・学習が難しくなってきていて自分の考えに自信がない
 これら2つが考えられる。私のクラスもこの2つが見事に該当していた。

 4月、社会科の授業。まず、お米について知っていることをノートに書かせた。全員の子どもが1つ以上書けていた。次に、リレー形式で発表させた。リレー形式とは、児童が自分の考えを発表し、終わったら、次の児童を指名していき、まるで、バトンパスのリレーのように発言をつないでいく発表方法である。結果は、数人で終了した。過半数の児童が自分の考えがあるにもかかわらず発表していない。そこで、班(4人)にさせ、発表させた。すると、ほとんどの子が元気よく発表した。
「なぜ、班で発表できるのに学級で話さないのか」と問い、ノートに書かせた。主なものは、
 o私は多い人数の前で発表するのが恥ずかしいから。
 oまちがっているといやだから。
 o質問されるとそれに答えることができないから。
 o発表した後、細かいことや悪口や関係ないことを言われるから。
であった。これらを板書し確認した後、二択で問うた。
A だから、わたしはもう発表しません。
B でも、発表できるようになりたい。
A、Bどちらですか。
 ノートには、全員の子どもがBを選択していた。
 理由は、
@わかってもらうと嬉しいから
A発表したら、嬉しさとか喜びを感じるから
B達成感があるので嬉しい
C発表するといい気分になるから
D自分が思っていることをできるだけ、伝えた方が勉強も進むから
E自信や勇気がつくような気がするから
F話す力をつけたいから
G自分の意見が言えるし授業が進むから
H発表しないと自分の意見が言えない
Iみんなにおいて行かれるから Jこの人だけ発表してないと言われるから
であった。(つづく)
(栗東市立治田小)