4行作文
吉 永 幸 司

1.発想力を育てる
 豊かに話ができる子は発想する力が育っている。発想する力は語彙の量やものの見方の多様さにつながる。国語の授業でも発想力を育てることを意図して授業を考える必要がある。発想力の育成を目標に考えた授業に「4行作文」がある。簡単で手軽でいつでもどこでもできる題材である。

2.4行作文について
 4行作文は次の価値がある。
@起承転結の原型である。
 4行という仕組みを起承転結に置き換える。1行目を初め、最後を結びにする。これだけで、考える力が育つ。
A短文でひとまとまりになる。
 行を意識すると文が短くなる。文の意識が育つと基本文型として主語と述語が整ってくる。
B文を作る経験が増える。
 短いので話題を変えて文を作ることに抵抗感が少なくなる。
C感情を表す、接続語を使うなど語の意識が高まる。
 文章に条件をいれることにより、考える力を育てる。短い文なので条件に対応できる。
D評価が分かりやすい。
 4行という条件なので評価の観点が明確である。内容より文意識を育てるので一般化しやすい。

3.4行作文で自己紹介をする
 「自己紹介をする」ことを目標に指導を展開した。
○自己紹介を目的にしたマップを作る。
 マップの作り方は、中心に自分の名前を書く。次に、今までの経験を思い出して事柄を書く。事柄を一つにした。交流を意図したからである。「好きな食べ物」など「好きな」に関係することが多く出てきた。
○紹介する事柄に関係する事柄を書く。(マップを増やす)
家族・友達・将来の夢などの事柄を増やすとともに思いつく事柄を書き続ける。
○4行作文で自己紹介をする。
 口頭作文で自己紹介をさせる。最初は1行目の名前と何を紹介するかを発表させ、そのことに関係する事柄を述べる。2行目は紹介したい事柄。3行目はその訳や他に伝えたいこと。4行目は保留。
○4行目を考える。
 まとめとして、自分とどのように関わりたいかということを考えさせる。指示とては「感情を表す言葉」を意識して使わせる。
○学習の感想を書く。
 感想は、学習をした事柄である。内容はマップや4行作文で自分の国語の力が伸びたのか、活動(書く・話す・聞く)に関わらせて自己評価をさせる。
(京都女子大学)