言葉を磨く 〜国語科と生活をつなぐ〜
谷 口 映 介

 社会に出て行く子ども達に、社会生活を営む上で役立つ言葉の力を付けさせたい。身に付けた言葉の力を実生活の場において発揮させたい。この様な願いの下、今年度は、国語科と総合的な学習との連携を軸にした実践を行った。その一部を紹介したい。

《総合的な学習『子どもNGO』の取り組みを通して》
 本校の6年生は、『竜王子どもNGO』として、実在のNGO団体の協力を得て、アフリカのマラウィという国を支援している。詳しい活動内容は、ここでは割愛するが、今年度は、活動を外へ向かって発信することで、子ども達の言葉の力を高めようと考えた。私の考える言葉の力とは、次の通りである。

1.相手に応じて話す力
2.敬語を話す力
3.はきはきと、自分の言葉で伝える力

1.相手に応じて話す力を高める
 発信する相手は、「保護者」「下学年」「知らない人」と段階的に難易度を上げて行った。特に、最終目標をアウトレットパークでの発表と位置付けたことで、言葉を磨く必要性が明確になった。また、不特定多数の人に対しての説明の言葉も相手に応じて考えさせることができた。

2.敬語を話す力を高める
 発表の前には、敬語を使えるように、表現例を示しながら練習を重ねた。「来てくれて」は「お越しくださって」、「こっちを見てください。」は「こちらをご覧ください。」など、実際の場ですぐに使えるものを1人やペアなどで事前に練習させることで、言葉に対する抵抗を和らげた。子ども達は相手意識と目的意識を持って、意欲的に学習することができた。

3.はきはきと、自分の言葉で伝える力を高める
 はきはきと話すためにいつも大切にしていることは、@口を大げさなくらいに大きく開けて、大きく動かすこと。Aおなかが固くなるほど力をこめること(しっかりと息を吸う)B声をこぼさないこと(上を向く)の三点である。繰り返すことで、次第に感覚がつかめる。自分の言葉で話すには、まずは、重要事項(キーワード)を書き出させることが有効であった。以下は子ども達の感想である。
◆敬語を使うと、大人になった気分で、気持ち良かった。
◆下学年には易しい言葉で、目上の人には敬語で話すなど、その人に応じた言葉遣いをすることが大切だと感じました。
(竜王町立竜王西小)