どうぶつなりきりクイズ大会
蜂 屋 正 雄

 ビーバーがダムをつくる順序をおさえながら、ビーバーの特徴についてのクイズをみんなで作った。また、その後に、自分の紹介したい動物についてのクイズを作るとともに、「ほかにも面白いところがあるのでぜひ読んでください」と本を紹介し、読書へとつなげていくという流れで学習を仕組んだ。

 『ビーバーの大工事』(東書二下)で、子どもたちがまず「すごい」「へぇー」と感じるのは、ビーバーの歯である。これを「道具」ととらえ、動物の持っている体の部分が人間の持っている道具でいうと何になるかをクイズにして、「道具」に着目したクイズの作り方のモデルとした。
 道具以外に、もう二つのクイズの視点を用意した。
@(とくちょう)「ノミのような歯を持っている」
A(のうりょく)「水中に十五分間も潜れる」
B(ちえ)「家族で協力しながらダムをつくる。巣の構造」
 以上のように教材文を元に、この三つの視点のどれか一つがクイズの答えになるような問題を作る練習をした。

 また、クイズの裏には「せつめい」と「かんそう」を書く。「せつめい」は本に書いてある答えに関する内容のところをそのまま書きだせばよい。感想は「どの文から」「どの言葉から」「どの写真から」という根拠を示しながら。その特徴に対する感想を書くようにした。「せつめい」「かんそう」と先に書いておいて、クイズの「答え」は最後に書かせた。そうすることによって、最後まで聞いてもらえる事を伝え、発表練習をした。

 自分たちのクイズを作る段階になると、動物の持っている道具・能力・知恵の三つからクイズを出してもらおうと思っていたのだが、結局、本を読まなくても書けるような、食べ物などを書く子もいた。こちらの意図どおりの問題を作れた子どもの作品を紹介することで、それぞれの動物の魅力を紹介できるようなクイズになっていった。
 「クイズを作る」というのは、その動物の本をどう読んでいるかが如実に表れ、その子の読みの力を測る良い指標でもあったと思う。また、クイズの作り方で戸惑い、何度も書き直す子もいた。クイズを作るという体験がなかったようで、いろんな友だちのクイズを見せてもらいながら、三回書き直し、最後には良い笑顔で発表することができた。この作品集は「文集」として、保護者懇談会の時に保護者の方々に見ていただいた。

 今後は、本を紹介する時に教師からクイズを出して、三学期の読書活動にもつなげてい きたい。
(草津市立笠縫東小)