詩を読む(3年)「いちばんぼし」
吉 永 幸 司

いちばんぼし
    まど みちお
いちばんぼしが でた
うちゅうの
目のようだ

ああ
うちゅうが
ぼくを みている
1 教材について
 「いちばんぼし」(まどみちお)の指導をした。夜空としないで宇宙とみたことや目という比喩が印象に残る。「ぼくをみている」の視点の転換も授業では是非話し合いに取り込みたいと思った。

2 目標
○短い詩の特徴を読み取る。
○好きな表現とその理由を持つことができる。



3 授業の展開
○詩を音読し、ノートに丁寧に写す。
○気になるところや好きなところに線を引く。
○線を引いた言葉を発表したり、詩の味わい方を理解する。

4 学習活動の実際
 音読や詩をノートに写すこと、そして線を引くことはできる。しかし、それを話題にして話し合うことが難しいようであった。
 そこで「線を引いた言葉とその理由」を発表させた。発表の落とし穴は最初の子が、「うちゅうのめのようだが上手な言い方だとおもいました」というと、多くの子が同じことを続けることであった。この言い方しかなかったのかもしれないが、違う言い方がでてこないのかなと思って待った。すると、「うちゅうが ぼくをみているが上手」という発言が生まれた。これ以上でないと判断して、次に進もうとした時、次の発言をした子がいた。
C はじめ、「うちゅうの目のようだ」ということが分からなかった。「うちゅう」と「目」は分かるけど、一つになると分からなかった。発表を聞いて、いちばんぼしを目のように見ているのがいいということで分からないことがはっきりした。
C 僕もそう思う。

 同意をする発言から、「目とたとえたのはどうしてだろう」という考えを引き出した。
 「目」から「ものを見る・光っている」を発想したり、「見られている自分」へ視点を変えたりする子があった。
 ただ、「一番星」の理解度を確認することがなかったので、上滑りの発言に終わる部分もあった。「発表を聞いてわからないことが分かった」は貴重であった。
(京都女子大学)