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緊急提言! デジタル教育は日本を滅ぼす 文部科学省の23年度概算要求の中に、デジタル教科書・教材や校務の情報化の在り方等について実証研究を行う「学びのイノベーション事業」が位置づけられている。7月には「デジタル教科書教材協議会」が設立された。学校教育においてもデジタル化が進んでいく。 著者は、デジタル化に全て反対している訳ではない。デジタルの便利さ、効率性、必要性は認めつつも、教科書のデジタル化について警告している。「デジタル教科書は、正解のある課題に対しては、自己完結のかたちで答えを出すことができる。学校も教師も必要ない。きわめて利便性があり、効率的である。」しかし、だからこそ問題なのだと言う。その理由を、臨教審以来の教育改革を検証し、以下のように述べている。 「日本の学校教育の重大な欠陥が、正解のある問題の解き方ばかりを教え、正解以外の答えに対してまったく価値を認めないために、コミュニケーション能力が育まれず、想像力や創造力が封じ込められてしまっている。」 デジタル教科書は便利で効率もよいだろう。しかし、その結果抜け落ちていくものがあるという指摘も、現場の感覚ではよくわかる。教育に何を求めるのか、どこで議論されるのだろう。 第1章 教育の現場からの警告、デジタル教育時代の危機 第2章 学校とは何なのか! 教育とは何なのか! 第3章 迷走した戦後の教育改革 ー 「詰め込み」から「ゆとり」へ 第4章 見直される教育改革 ー 21世紀型新時代の教育へ 最終章 先進的なデジタル教科書が日本を滅ぼすその理由 (常諾真教)
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