句会を開こう
谷 口 映 介

 2学期始めの単元「短歌と俳句」の中の実践である。短歌と俳句は、はりつめた感動を、洗練された簡潔・的確な言葉で表現するという日本語本来の美しさを感じられる独特の詩である。この良さを自分でも感じ、言葉に対する感覚を養おうと、句会を開くことにした。

 先ずは、いくつもの短歌や俳句を読み味わい、暗唱大会を開いた。その後、句会を開くことを目標に作句する活動に入った。作る際にポイントとして挙げたのは、次の3点である。
@季語を入れる。
A直接感情を表す言葉は入れない。 〜楽しいな。〜うれしいな。〜きれいだな。など
B場面や様子(情景)が頭に浮かんでくる句を作る。比喩や擬人法、視点を変えるなどの工夫も考えると良い。

 児童は、季語を調べながら、それぞれに句を作り、自信作を句会にエントリーした。句会は、全ての句を一覧にしたワークシートを配布し、その中から3句を選ぶ形式を取った。3句とも、選んだ理由を明確に書かせるようにした。児童は、選んだ句とその理由を述べていく。最も多くのポイントを取った句が特選句となる。

「第1回6年1組句会」の高得点句は次の通りである。
たくさんの花火は空の花畑
  評)「空の花畑」という表現がうまい。きれいな感じを表していていいと思ったから。
かき氷ぼくのおなかが無限大
  評)「無限大」という言葉から、まだまだ食べられるという意気込みが感じられるから。
さやさやと風にゆれてるすすきかな
  評)「さやさや」という言葉から涼しい秋の風を感じるから。
栗拾い拾ったもののかごに穴
  評)かごに穴が開いていたらくりが落ちるからおもしろいなあと思った。
花火見る妹の目が赤青黄
  評)妹の目に映る花火を見ているという視点がいい。

 児童は、次々と発表される句を聞きながら一喜一憂していた。句会の最後には誰の句かを書いたプリントを配布し、句会を終えての感想を書いた。
○句会は楽しいことが分かった。またしてみたい。今度は1位をとりたい。
○みんなすごい句を考えるんだなあと思った。季節とか情景が伝わってくる句がたくさんあって、選ぶのに迷った。
○みんなの句を聞いて、次への見本になった。第2回は1票でも取りたい。

 第2回のテーマは「秋」。保護者からも募集する予定である。
(竜王町立竜王西小)