説明文教材のおいしいレシピ〜大津市国語部会公開講座〜
高 野 靖 人

 大津市の国語部会は、夏季公開研修講座として、2学期教材の演習的な教材研究を実施した。講座名は、「教科書教材のおいしいレシピ」。

 「説明文」教材としては、4年生の「ウミガメのはまを守る」(東書)を取り上げ、次の4つの料理方法を提示した。
@「音読」しながら読み取ろう(対話読み法)→音読、劇(動作化法)
A「だれが・何を・どのように」に気をつけて(主語・述語の照応、形容詞に着目)→表にまとめよう
B「写真」を使って文章説明を効果的に行おう(絵すじ法)→紙芝居〜 新聞〜プレゼンテーションへ
C「文章構成図」を解き明かそう(構造図法)→キーワードを見つけ出し色分けし、ハンバーガー形式にまとめよう

 3時間という時間の制約もあり、Cについては、紹介だけで演習はできなかった。参加者は、スタッフを除いて21名。
 @では、4〜6名のグループに分かれて、進行役が示した「題名に関連する言葉」「よく出てくる言葉」等の観点で、教材文のキーワードを色分けし、それを基にグループで数段落を音読する方法を話し合わせた。時間の関係で、音読の交流ではなく、その話し合いの過程を代表に紹介してもらって交流した。

 Aでは、「だれが、何を、どうした」を表にして、すべての段落をまとめた(一部、演習として作業)。特に主語を見ることで、意味段落など文章構成が一目で分かることを確認した。

 Bは、7枚の写真(挿し絵)を拡大して使用。それぞれに関係する段落を見つけ、重要な言葉や要約文、絵などを作成し、ホワイトボードに写真と共に順番に貼り付けて発表するという演習。当然、写真と同じ7グループに分かれ、色画用紙・マジック・セロハンテープ等を用意して行った。発表は写真順に行い、各グループの「工夫した点」も最後に述べてもらった。「内容に合わせた色の統一」「絵の活用」などが多かったが、「ウミガメの思いを吹き出しで」などユニークなグループもあった。

 私は、今回、研修をサポートする立場で参加していたのだが、教材に向き合う参加者の表情の変化が気になった。最初、10分程度、教材を黙読する時間が取られた。4年生の担任ばかりではないので、初めて目にする人もいるだろうが、変化はない。@ABと進めるに従って、線を入れたりしながら、何度も読む。グループで話し合いながらも読む。表情が出てくる。発見を伝える、共感される、笑顔も出てくる。読みの観点が示され目的意識が高まることの効果を実感。
(大津市立仰木の里東小)