▼「作家と作品を関わらせて読もう」という実践記録を読んだ。新しい学習指導要領の実践事例が次々と発表されるなか、手にした実践も、宮澤賢治の生き方と自分の生き方を重ねて読むことがねらいであった。

▼学習活動は多彩。@宮沢賢治の代表作の読み聞かせ。学習課題の設定。A教材文を読み、賢治の生まれた環境や行動、出来事を賢治の理想や考え方と結びつける。B賢治の生き方、考え方と自分の生き方、考え方と比べ、共感するところを話し合う。C賢治の他の作品を読み、お気に入りの本を選ぶ。Dブックポスターをを作り、ポスターセッションを行い、お気に入りの本を紹介する。

▼ブックポスターに書く内容として次の事柄を例示している。@作品名とキャッチコピー、A作品のあらすじ、B心に残った会話や場面、C作品に込められた賢治の思いを読みとる、D感想を交流する。

▼学習活動は、賢治の年表作り、自分の生き方と関連づける読み、グループの交流会、ブックポスター作り、ポスターセッション等々。国語の授業が読書と交流に軸足を置くという学習指導要領の意図を具体化したものとして読んでいくと分かりやすい。

▼事例は6年。ブックポスターとか推薦文という学習活動の魅力が先行し、思考力・判断力・表現力の育成が手薄にならないように留意する必要がある。(吉永幸司)