群読を楽しむ「祭りだ わっしょい」「枕草子」
谷 口 映 介

 今年度は、6年生35名の単級を担任している。今年は、群読や古典の暗唱を通して言葉の力を高めようと国語科を中心に取り組んでいる。群読や暗唱には、次の良さがあると考えている。
 (1) 古典文学を読む(暗唱する)ことによって、日本語本来の美しさに触れることができる。
 (2) 声をそろえて読む経験を通して、全体やグループの一体感を味わえる。
 (3) 正しい発声の仕方が身につく。

 1学期は、「祭りだ わっしょい」と古典「枕草子」に取り組んだ。どちらの作品も全校集会や終業式など、たくさんの人に聞いてもらうことを目標とし、児童の目的意識と相手意識を持たせた。

《群読の指導》
 群読の学習を進める上で重点的に指導したことは、次の3つである。

大げさなくらいにはっきりと口を開けること。

 「あいうえお」の口型を確認し、題名や一部分を変化のある繰り返しで何度も読ませた。当初ははっきりと発音できなかった子も、何度か繰り返していくうちに徐々に声が出るようになってきた。声が出ない原因の一つは、口が大きく開かず、音声が口の中にこもってしまうことである。「大げさに」と助言することで、自然と出せるようになった。

腹から声を出すこと。

 腹式呼吸のことである。実際に腹部を手で押さえて、堅くなっているかを自分で確かめさせると声に張りが出てくる。

文頭を特にはっきりと発音すること。

 口型とも関わるが、自信がなかったり息を吸わなかったりすると、文頭が弱くなってしまう。そこで「はるはあけぼの」の「は」や、「やうやう(ようよう)しろく…」の「よ」を特に意識させる。言う前には、息をたっぷりと吸うように助言するとはきはきと発音できるようになった。

《実践から》
 2作品とも、集会や学習参観の場などで発表したことは、児童の意識を継続させる上で有効であった。また、発表によって読むことに自信がついたようである。最初は、意味が分からなくても、日本語の持つリズムを感じ、熱心に暗唱する姿も見られた。今後も、児童の実態に即した題材を選定し、定期的に取り組んでいきたい。
(竜王町立竜王西小)