説明文を読むとは?〜授業で遣うことば〜
西 村 嘉 人
転勤して2か月ちょっと。いきなりの6年生で、子どもたちは編制替え無しという完全アゥェーの状況でスタートした平成22年度。ようやく、子どもたちの様子も分かり、学習指導に力を入れなければと、説明文「生き物はつながりの中に」の学習に取り組んだ。 先ずは、文章を徹底的に読むこと。「速読」を子どもたちと共に毎時間のはじめに取り組んだ。導入時はやや速い目。だんだんスピードを上げて、単元の終わりにはスラスラ、ペラペラとかなりの速度で音読できるようにと、子どもに目標を示した。子どもたちには、 「速読ができると言うことは、この説明文が充分に分かっていると言うこと。ですから速く読めることを目指します。」 と、説明をした。 続いて、第一段落を丁寧に読むことを教えた。 @第一段落だけをノートに視写する。 A大事なことが書いてあると思う文に線を引く。 B(Aの確認後)一番大事だと思う文を選び、選んだ理由を話し合う。 の流れで学習を進めた。子どもたちは、 「イヌ型ロボットを知っていますか。と読む人に呼びかけているからこの文が大事と思う。」 「どこがちがうのでしょう。と問題を出しているので、この文が大事と思う。」 「問題を出しているのは同じだけど、生き物の特徴をさぐってみましょう。の方が大事だと思う。」 と大きく三つの意見に分かれた。 そこで、私の方から、 「第一段落を丁寧に読むと、これからの説明の道筋を筆者がはっきり示してることが分かります。この場合は『生き物の特徴 をさぐってみましょう』が大事なのですが、それだけではなくて、『そのちがいを考えながら』も忘れてはいけないことです。」 と説明した。「なるほど!」と納得顔の子どもたち。 しかし、次の時間、黒板に、 「第一の生き物の特徴が書かれている段落を見つけて、大事なことをまとめよう。」 と、一人勉強の課題を書いたところ、見事に「生き物の特徴」だけを書き抜くだけで、「イヌ型ロボットと本物のイヌのちがいを考えながら」を誰一人として一人勉強で取り上げていなかったのである。前時の流れで大丈夫だと思ったのだが、必要な言葉を省いたために余分な時間を費やすことになってしまった。「以心伝心」ではなく言葉で丁寧に伝えねば。今更ながらの反省である。 (彦根市立旭森小)
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