「まとめる」力を育てる「生き物はつながりの中に」
箕 浦 健 司

 本教材(光村6年)は、本物のイヌとロボットのイヌとを比較しながら、生き物の特徴をまとめている。生き物は、さまざまな「つながり」の中に生きており、それはすばらしいことだというのが、筆者の主張である。
 生き物の特徴を読み取ること、筆者の主張について自分の考えを持つことを学習課題とし、進めていった。

 本時は、「生き物の3つ目の特徴をまとめよう」が課題。音読後、何も指示をしなくても、一人ひとりがノートを開き、下敷きを敷いて日付、教材名を書く。課題を書き取ったあと、定規で線を引いてノートを上段・下段に分け、本物のイヌとロボットのイヌ、それぞれの特徴を書き込む。毎時間続けていることなので、子どもたちは見通しを持って学習に臨めている。それぞれの特徴を発表、教師が板書したあと、そこから生き物の特徴を一文でまとめた。子どもたちのまとめは次の通り。
「長い生命の歴史の中の生き物たちとつながっている。」
「生命の歴史、その始まりにまでつながっている。」
「長い長い生命の歴史があるからこそ、つながっている。」

 ここで大事にしたいことは、本文中からまとめに適したキーワードを選ぶことである。言葉を取捨選択し、分かりやすくまとめる力をつけたいと考え、字数制限を課した。今回は25字以内。そして、文末は、先の2つの特徴と同様に、「〜つながっている」で終わるようにした。字数が多すぎたり、「つながっている」にうまくつながらなかったりして、試行錯誤しながら、何とか生き物の特徴をまとめることができた。
 子どもたちのまとめの文を板書。キーワードとして、「長い生命の歴史」を選べていればよいことを確認し、学習作文を書いて終了。

 授業後の研究会では、字数制限や文末定型の善し悪しについて議論した。制限を設けることが、子どもたちの表現活動の幅を狭めることにならないかということが焦点となった。書きぶりが似通って、吟味する必要性を感じられなかったり、友だちの意見に対する感想を持ちにくかったりしたのではないかという意見もあった。
 もちろん、成果もあった。子どもたちが本文に、言葉に注目し、まとめの文を書いたこと。文が形になるように、何度も書き直そうとする姿があったこと。

 この経験が、小見出しをつける力や、要約文を書く力につながっていく。そして、繰り返し取り組むことで力はつく。改善点を明らかにしつつ、継続して取り組んでいきたい。
(長浜市立長浜南小)