学年通信「かがやけ六年生」
北 島 雅 晴

 ある日、直美さん(仮名)が次のような日記を書いてきた。

私たち六年生の学年通信は、先生の手書きの「かがやけ六年生」です。「かがやけ六年生」のいいところは、手書きというところです。今まではパソコンだったけど、一文一文ていねいに手書きされています。他にいいところは、作文です。一組、二組、三組、四組全組の作文が見られるところです。みんながどんな作文を書いているのかが分かります。わたしは「かがやけ六年生」がたまっていくにつれて、うれしい気持ちになっていくような気がします。(以下略)
学年はじめに6年生担任4名が話し合い、学年通信を毎日発行することにした。子どもの日記や作文を中心に取り上げること、手書きにすること、学年や学級の様子も随時紹介すること、間に合わない時はその日は無理をして発行しないこと等を条件にした。毎日発行といっても、担任が4名なので1週間に1〜2回書けばよいことになる。手書きにしたのは、子どもの作品をていねいに扱うとともに、温かさを出したいと思ったからである。直美さんは、そのことをしっかりととらえてくれているのがうれしい。

 高志君(仮名)が、日記の代わりにお話を書いてきた。どうしても日記に書くことがなかったのでお話を作ったと話してくれた。桃太郎の話を少し変えたものという文章だったが、「かがやけ六年生」で取り上げた。放課後、となりの学級の先生から、
「今日の桃太郎のお話、クラスのみんなにうけたので、帰りの会で書く日記がお話づくりになってしまいました。」
という話を聞いた。ただし、高志君のお話を少し変えただけというものが多かったので指導をしたという事も付け加えてくださった。「かがやけ六年生」は、朝の会で読むことにしているが、他学級の友達の作品を読むことも楽しみにしている。友達の作品を読んで自分の文章に取り入れようとする姿も見られるようになった。今まで自分が書かなかったような題材で書いてみるといったように、書くことの動機付けにもなっている。

 家庭訪問で、ある保護者から、
「学年通信を毎日発行してくださってありがとうございます。子どもたちの考えがよく分かるので読むのを楽しみにしています。」
という話を伺った。子どもたちの書く力をつけるため、そして保護者とのつながりを深めるためにも、地道に発行していきたい。
(草津市立志津小)