詩を読む(3)「紙風船」(黒田三郎)
吉 永 幸 司

C「二つの言葉」をつないで読み取った様子を発表する。
(ノートに線を引いたように板書の詩に書き込む)
C 「落ちてきたら」と「今度は」とをつないで、ふわふわ落ちてきた紙風船を追いかけて、前よりも高く上げようと力いっぱい 打っている様子を想像しました。
C 「願いごと」と「もっともっと高く」と「何度でも」から、紙風船が落ちてくる下で今度こそはという気持ちが強く出ていると思いました。
C 「美しい」と「汚れてた」を比べて、美しい願いごとって何かなと考えたけれどわからなかった。願いごとって何なのだろう。
T 何でしょう。
C 夢かな。夢だったら夢って書くね。
C 何かわからないけれど、人の役に立つとかそういうことのほうがぴったりする。
C 紙風船が願いごとと考えると息を吹きこむところが目に見える。そっと手のひらの上にのせ、大事そうに打ち上げようとしているところがおもしろい。
C 「もっともっと高く」と「願いごと」と二つで宇宙までとどくようにと思った。
T 「美しい願いごと」は何かわかりにくいけれど、この詩を読んでいると、打ち上げる姿が見えるね。読み取ったことを音読で表そうね。
C 音読(もっともっとを強く読む子が多かった)

D学習の感想を書き発表する。
 音読を繰り返しながら、詩のリズムを感じさせたり、感想を書かせたりして授業を終えた。
 授業の前には次のような感想を期待していた。
今日は、二つ勉強をしまし一つは意味作りです。「紙風船」を「願いごと」にしたところがいいなと思いました。もう一つは、「深める」ということを勉強しまた。普通に読むのと違って、「高く」とか「美しい」という言葉を詩に合わせて読む普通と違う読み方ができました。
子どもは「言葉を線で結んだ」「音読を気持ちを込めてした」というようになった。

(3)考察
○「深く読む」を学習のめあてにして進めた。しかし、詩の内容になったとき、「深く読む」の意識が希薄になった。
○学習感想を形にしたことは方向を示す上で大事である。
(京都女子大学)