本棚  京女式ノート指導術 考える子どもを育てる
吉永幸司 編著 京都女子大学附属小学校 編 BK1
教育技術MOOK 小学館 2010.2 1200円
京女式 ノート指導術

 京都女子大学附属小学校が「国語力は人間力」を合い言葉に、4年間取り組んできたノート指導が紹介されている。

 各学年の指導のポイントが示される。例えば、1年生では、@学習した日付を書く、A学習のめあてを書く、B文の始めと終わり、C板書を写す、D学習の感想を書く。カラー版の子どものノートが収められているので、指導のポイントが具体的にわかる。

 また、2か月に一度「附小ノート検定」が行われる。わかりやすいノートを書くためのポイント7つは、子どもが自分のノートに貼っている。判定は担任以外の教師がする。文字を丁寧に書いて合格したノートは、子どもたちの宝物になり、さらに学習意欲が高まる。

 なぜノート指導が必要なのかという問いに対して、「書く力を育てるひとつの取り組みがノートである。調べたこと、考えたこと、感想など書く力を育てることは、考える力を育て、豊かな心を育てることである。ノート指導には手間と時間がかかるが、それが教育であり、それだけの値打ちがある」と吉永校長先生は答えている。

 手間や時間がかかることはよくないという風潮の中で、教育とは手間と時間をかけることだいうことに気づかされる。(常諾真教)