大切にしたいこと「カレーライス」
箕 浦 健 司

 年度初めの第1単元。「スタートでこの1年が決まる」と考え、1年間、続けていくことを決め、取り組んでいることがある。
(1) 子どもの思いから、学習課題を立てること。
(2) 毎時間、初めに日付とその時間の学習課題を書くこと。
(3) 終末には、学習課題に沿った学習作文を書くこと。
(4) 褒めること。
(4) 家庭学習として、毎日必ず音読を課すこと。

(1) 何名かが「『ぼく』が、なぜカレーを作ることにこだわったかが分かりません」と言う感想を書いた。紹介し、発表させると、「確かに、毎日食べてるのにな」「お父さんが作ってくれたのが、実はうれしかったんじゃないかな」などのつぶやきが聞こえた。ここで、「自分なりの答えが今、考えられる人」と問うと、約4分の1の子どもが挙手。しかし、誰も自信はない様子。28名共通の課題として、追求していくこととした。

(2)(3) わかりやすく美しい板書、丁寧なノート指導を心がけるという意味で、毎時間必ず続けていこうと思う。授業にパターンがあることも、子どもにとっては分かりやすく、大切なことだと考える。

(4) 全文を読み、「心に残った場面と、その理由」で初発の感想を書いた。
私が心に残った場面は、『分かってることを言われるのが一番いやなんだってことを、お父さんは分かってない』と『ぼく』が思っているところです。理由は、私も、家でよく言われるから、『ぼく』の気持ちがよく分かるからです。
このAさんの発表のあと、「どんなことを言われるの?」と聞き返した。Aさんの答えに、周りから「ああ、ぼくもぼくも」「あるある」などの、共感的なつぶやきが出てきた。ここで、すかさずAさんを褒めた。
Aさんは、主人公である『ぼく』と、自分の生活とを重ね合わせて感想を書いています。物語の中の人物と自分を重ね合わせたり、比べたりして読むことはとてもいい読み方です。『ぼく』の気持ちを想像したり、『自分ならこうする』等と考えながら読むのは、楽しいですね。
以来、褒めたことが直接のきっかけかどうかは分からないが、Aさんは積極的な発言が目立つ。

(5) これは、昨年度から全校的に取り組んでいる。保護者にも協力を呼びかけ、学校、家庭で子どもを励まし、見とり、育てていきたい。

 いずれも基本中の基本だが、まずはそこからスタート。一歩ずつすすんでいきたい。
(長浜市立長浜南小)