詩を読む(2)「紙風船」(黒田三郎)
吉 永 幸 司

 詩「紙風船」の授業を次のように展開をした。

(1)目標
○「紙風船」(黒田三郎)を読み、意味作りをする学習方法を見つけることができる。
○「深い・浅い」の意味を自分の言葉で表現できる。

(2)授業の展開
@学習のめあてを板書した後、「紙風船」の詩を聴写する。

  紙風船  黒田三郎
 落ちてきたら
 今度は
 もっと高く
 もっともっと高く
 何度でも
 うち上げよう

 美しい
 願いごとのように

 学習のめあて「深く読むとはどういうことだろう」を示し、その後、聴写させた。書きながら、繰り返し出てきた言葉や連、内容をを意識させた。

A「深く読む」の学習の仕方を指導する。
 深く読むは一般的ないい方なので、「紙風船」ではどのように読むことが深く読むであるのかを次のように指導した。
T 「落ちてきたら」という言葉から、どのような言葉が思い浮かびますか。
C ふわふわです。(ふんわり等 がでてくる)
T それでいいのですが、もし、題が石だったらどうですか。
C ストンです。
 このように、「落ちる」をもとに「紙風船」という題がイメージを決めていることを確認し、「深く」とは「書いている言葉から書いていないこと」を言葉で書き換えることであることを指導した。

B「深く読む」ことができる言葉に線を引く。
 詩を音読させ、意味が広がる言葉に線を引かせた。「もっと・もっともっと・高く・美しい・願いごと」に線を引く子が多かった。
 線を引いた部分を発表させて考えてみたい言葉について話題をひろげた。

C「二つの言葉」をつないで読み取った様子を発表する。
 「高く」や「もっと」「美しい」「願いごと」だけでは意味が広がらないので、「二つをつなぐと言いやすい」という発言があった。そこで、「つなぐ」を線で結ぶと置き換えた語と語を結ばせる活動させた。
(京都女子大学)