さっそく図書館へ 〜常諾先生の講演から〜
伊 庭 郁 夫

 2月20日に開催された「第23回新しい国語の授業研究会」において、常諾先生から「読書指導」に関しての多くの示唆をいただいた。
 紹介された本を探しに高島市立図書館へ向かうことにした。
10冊を超える絵本のほとんどが手に入った。また、1つの図書館にない本はどこの図書館にあるのかがコンピューターのオンラインシステムで容易に検索できる。その足で市内の別の図書館に向かい、手にすることができた。
 紹介いただいた絵本の中で特に読書の楽しさを感じた4冊を取り上げる。

 まず、「もりのかくれんぼう」である。ビッグブック(大型絵本)は迫力がある。兄妹が見知らぬ森へ入るが、兄はいない。妹のけいこは、不思議な森の中で動物たちや「かくれんぼう」という男の子と楽しく過ごす。その絵が魅力的で思わず釘付けになる。

 2冊目は、「光の旅かげの旅」である。白黒だけの絵本で文字通り光と影だけの世界である。明け方に家を出てから太陽が沈むまでの旅が終わる。ところが、「本をさかさまにしてごらん」というメッセージがある。何と、これからUターンして絵本を逆に読んでいくのである。その光と影の世界が非常に鮮やかで驚く。「もうすぐわが家だ」までのストーリーで、無事到着する。もう一度絵本の旅に出かけたい気分になる。

 3冊目は、「もっちゃうもっちゃう もうもっちゃう」である。常諾先生の軽快な語り口を思い出しながら読む。おしっこがしたいとデパートにとびこむが、トイレは工事中。そこからひやひやどきどきのおしっこ物語が展開する。絵も非常に楽しい。何度読んでも笑ってしまう。どの子もこんな思いをしたことがありそうで身近である。実は、夢物語なのだが最後におちもあり楽しめる。

 4冊目は「おこだでませんように」である。課題図書にもなった。たまたま、常諾先生の話の前に図書室で手にとったことがある。題名にひかれた。子ども心に共感できる話でうなずきながら読み進めていける。いつも怒られてばかりのぼくが七夕の願い事に「おこだでませんように」と書いたことから思わぬ展開になる。常諾先生の読み聞かせに心を打たれた。

 さて、堅田小学校では読み聞かせボランティアに大変お世話になっている。六年生最後の読み聞かせは、体育館で劇をしてくださった。心に残る読み聞かせに感謝。
(大津市立堅田小)