第23回「新しい国語の授業」研究会
言葉の基礎力を育てるために
北 島 雅 晴

 第23回「新しい国語の授業」研究会が、2月20日、草津市立まちづくりセンターで行われた。その概略と学んだことを紹介したい。

1.研究協議
 〜蜂屋正雄先生の実践提案「読む・書くを繰り返す過程で育つ書くことの力」より〜
 説明文「ウミガメのはまを守る」の読みを生かして、総合的な学習で調べたことを報告文にまとめるという学習である。説明文の読みでは、筆者に焦点をあてている。
○筆者の清水さんは、どんな人なんだろう。
○この文章を書くために、どのような研究をしたのだろう。
○調べたことをどのように伝えようとしているのだろう。
といったことを読む中で、報告文の書き方をつかむことができた。国語科の力と総合的な学習とをつなぐ具体的な実践として、新鮮さを感じた。

2.講 演
 〜常諾真教先生の講話「これからの読書指導を語る」より〜
 10分間読書や読み聞かせ(読み語り)など、今では読書の取り組みが当たり前のように行われているが、まだ読書に関心が向けられなかった時代から、精力的に実践を積み上げられてきた重みを感じる講演であった。読書指導で今、何を大切にすればよいのかが網羅された内容で、「明日から、読書指導を楽しくがんばろう」と、元気の出る講演であった。
 その中で、「読み聞かせをつづけていると学級が温かい雰囲気になる」という言葉が印象に残った。先生の読み語りにじっと耳を傾け、お話の世界に入り込むことができる学級は、友達の話も温かく受け入れることができると思う。

3.講 話
 〜吉永幸司先生の「研究会に学ぶこと」より〜
 「1年生上の教科書の内容について、繰り返し指導すれば、必ず力がつく」という話が印象に残った。基礎力という視点から、もう一度1年生の教科書に目を通してみると、学年に関係なく、確実に身に付けていかなければ中身がつまっていることが分かる。学年が上がるに従って、本当に大切にしなかればならないことを教師が置き忘れているのではないかと反省する。
「脳を豊かにするには、いい言葉をいっぱい使うこと」
「子どものわずかな成長を喜ぶのが、教師の基本である」
など、教師としての原点を考える機会を与えてもらった。
(草津市立志津小)