気持ちを表す言葉に注目してお話を読む
弓 削 裕 之

 「きつねのおきゃくさま」(教出2上)には、「ぼうっとなった」や「うっとりした」など、ユニークな「気持ちを表す言葉」が出てくる。そんな言葉を見つけながら、きつねの気持ちの変化を読んだ。

@場面ごとに、きつねの気持ちを表す言葉に線を引き、発表する。
Aノートに書いたきつねの気持ちを表す言葉を次のように色分けして線を引き、色の変化からきつねの気持ちの変化に気づく。
 「ひよこやあひる、うさぎを食べようとするきつねの気持ち」を赤色。
 「ひよこやあひる、うさぎを守ろうとするきつねの気持ち」を青色。
B授業で学んだことを踏まえてまとめの感想を書く。
C隣の人の感想の「よいところ」に線を引き、思ったことや感じたことを友達のノートに書く。
Dよいところ見つけの仲間わけをする。

 @の活動では、一つの言葉に立ち止まる場面がたくさん見られた。例えば、「うっとりして、気ぜつしそうになった」の一文をめぐって、「気ぜつしそうになった」が「きつねの気持ちを表す言葉」か「作者の言葉」かどうかで1時間話し合い、「作者がきつねの気持ちをわかりやすく表すために書いた言葉」という結論に至った。

 言葉に注目する活動のまとめに位置づけた、友達の感想のよいところ見つけでは、「A:気持ちを表す言葉に線を引く、B:共感したところに線を引く、C:工夫しているところに線を引く」の3つのパターンが見つかった。

【まとめの感想】
 わたしのすきなばめんは、おおかみときつねがたたかうばめんです。なぜならゆうかんという言ばが出てくるからです。なぜゆうかんという言ばがすきかというとわたしのお兄ちゃんがつよいからです。お兄ちゃんはケンカがつよいだけでなくゆう気があります。きつねはじぶんよりつよいあいてとたたかえるゆう気があってすごいなあとおもいました。じぶんもきつねみたいにゆうきがもてる人になれるようにどりょくしたいです。

 言葉に注目して読むことは、子どもたちが自分の言葉で表現するための基盤づくりになると感じた実践だった。
(京都女子大学附属小)