話す力と聞く力
箕 浦 健 司

 「あったらいいなこんなもの」(光村2年)の学習から。
 ドラえもんの道具のように、「こんなものがあったらいいな」というものを自分で考え、それがどういうものか友だちに説明する。この単元で、子どもたちにつけたい力は、
○話す順序を考えて、分かりやすく説明する力
○大事なことを落とさずに聞き、分からないことを質問する力
である。

 まず、「ドラえもん」に実際に出てくる道具で説明の練習をした後、段階別のワークシートに書き込んだり、少人数での話し合い(あったらいいなと思うもの、その理由を伝え合い、質問したり、感想を言ったりする)をしたりして、スモールステップで自分のアイデアを煮詰めていった。

 ここで、聞く力について考えた。落とさずに聞くべき「大事なこと」とは何か。自分が聞き手に回ったときに、友だちの発表をいかに意識して聞けるか。それは、自分の発表を考えるときに、いかに内容や順序を意識して話せるかというところに関わってくる。まさに、話す・聞くは表裏一体。そこで今回は、まず話す観点を明確にしてから取り組ませた。

「道具の何を話せば、相手にその道具のことがよく伝わるでしょう。」と尋ねた。
 名前は除くと、@形 A大きさ B色 C模様 D重さ E使い方 Fいつ使うか Gできること、であった。
「この中で、何が一番大切だと思う?」と問いかけると、Gという答えが返ってきた。そこで、@〜Dを「つくり」とし、EFは「使い方」、Gは「はたらき」としてまとめた。話すべき大事なことの確認は、聞くべきことの確認でもある。

 子どもたちには、「聞き手が分かりやすいように、順序を考えて話そう」というめあてを与え、「初めに〜、次に〜」という話型を提示した。
「はじめにつくりについて話します。形は…です。色は…です。次に使い方とはたらきについて話します」という形で、順序よく話すことができた。
 また、聞き手には、「話し手がちゃんと説明したことを質問しないこと」というルールを与えた。発表会初日には、必要のない質問をする子がいたが、その後はなくなった。一方で、「名前を、聞こえなかったのでもう一度言ってください」と質問する子や、「○○の場合は、使えま すか?」と、発表を元に想像したことで質問する子が出てきた。

 単元の学習終了後も、「パート2」として、朝のスピーチで取り組んでいる。2回目ということもあって、楽しそうに、自信をもって話している。
(長浜市立長浜南小)