ことばの貯金箱
北 島 雅 晴

 毎週一回、朝の学習の時間を使って、「ことばの貯金箱」に取り組んでいる。
「おはようございます。今日のことばの貯金箱は、学習で使う言葉を題名にして書きます。どんな言葉があるでしょうか。例えば算数だったらどうですか。」
・面積 ・分数 ・図形 ・三角形 ・たし算 ・分度器、といった言葉が出される。
「それぞれの教科で、使う言葉が違うのでよく考えて題名を決めましょう。例えば、たし算だったら、自分の生活の中で使うたし算について書きましょう。」
といった簡単な話をした後、題名を決めて、文章を書く。このようにテーマを決める時と自由に題名を決める時とがある。

 約束は、次の三点である。
・言葉の説明ではなく、自分の生活のことで書く。
・文章は、二から三文とする。(適切な言葉を選んで端的に伝えるためである。)
・題名の言葉を文章の中では使わない。

 【作品例】
@校舎
 上ばきをはいて教室に向かう。教室が近づくとにぎやかな声が聞こえてくる。
A昼休み
 ボールをもってトンネルをくぐる。今日はぜったいナイスプレーをしたい。
Bミリメートル
 ぼくのお父さんは視力が悪いのに、ご飯に入っている五ミリくらいのかみのけを見つける。なぜそんなに気になるのか不思議だ。
Cあきこさん(仮名)
 習字や漢字を書くとき、いつもきれいな字だ。私はいつもあきこさんの字を見習っている。

 @とAは、学校生活の中から話題を選んで書いたものである。Bは、学習で使う言葉をテーマにして書いた。
 Cは、「友達シリーズ」として三回ほど連続で行った。友達のよさやその子らしさを表現したものである。お互いに長所を伝え合うという点で、書くことによって学級に温かい雰囲気を作ることができた。

 テーマとしては、この他
「最近心に残ったこと」
「使ってみたい言葉シリーズ」
「〇〇のお話から選んだ言葉」
といったものを取り上げた。言葉がたくさん集まった(貯金できた)ところで、学級でオリジナルの国語辞典を作る活動に発展させたいと思っている。さらに言葉を洗練しながら、その子らしさが感じられる文章を書かせていきたい。
(草津市立志津小)