「そっくりことば」で詩をつくろう
弓 削 裕 之

 2年生の子どもたちに、「詩」とはどういうものかを説明するのはとても難しい。でも、「気づいたら詩ができていた」なら、簡単でおもしろい。そう考えて、次のような授業をした。教材は、「かんじたことを」(教育出版2上)。教科書に載っている詩の中に、

 すっごく どきどきした。
 むねが たいこのように 
 ドンドン なった。

という比喩表現が見られる。そこで、この授業では、「〜のよう」「〜みたい」などの言葉を用いて詩をつくることにした。
(1) 心にのこったできごとを考える。
(2) その時の気持ちを一言で表す。
(3) 気持ちにそっくりな言葉を見つける。

 教科書の詩を例にして比喩表現の使い方を勉強した後、これら3つのまとまりごとに分けられたワークシートを用いて作業を始めた。「そっくりな言葉」は「〜のよう」「〜みたい」を使うよう指示した。
○心にのこったできごと… 三しゃ面だんがあった。
○その時の気もち… はらはらどきどきした。
○気もちにそっくりなことば… おまつりみたいだった。
 ここまで書けた子に、「それを順番に並べてごらん」と言うと、「詩ができた!」と笑顔になった。詩の概念を理解しなくても、自分が考えた言葉の連続が詩に変身していることに喜びを感じている様子だった。

   ピアノ

 火曜日、ピアノのレッスンがあった。
 うきうきした。
 うみのなみのようだった。

   バレーボール

 お兄さんと、ふうせんでバレーボールをした。
 わくわくした。
 こころがボールのようにポンポンはずんだ。

 国語の授業が終わった後、子どもたちが何らかの言葉のスキルを身につけていること。子どもたちの言葉が成長していること。それが大切だと考えている。ここで学んだ比喩表現を、学習の感想などの作文に生かせるよう支援していきたい。
(京都女子大学附属小)