互いに尊重し合える人間関係を育むために(3)
中 嶋 芳 弘

 今回は、教育相談担当・生徒指導担当・養護教諭・生徒指導担当・特別支援担当等が核になって進めた「元気っ子部」の取り組みからまとめておきたい。
 学級の中で課題を持つ子ども達は年々多くなっている。その場合学級担任が児童の学習だけでなく学校生活全般にわたって支援を重ねる場合が多い。「学びっ子部」の活動は、そんな時、側面から担任を援助したり、教育相談を中核に据えた生徒指導の推進も含め支援していくことが大事な取り組みとなる。次のような取り組みを進めてきた。

○相談助言
 保護者の相談には主に担任があたるが、内容によっては教育相談主任や養護教諭、支援加配教員が、事前に保護者や担任の了解を取って相談を行ったり、相談への助言をした。そうすることによって学級担任への援助となるよう心がけた。

○情報交換
 全校の児童の学校生活状況の把握を心がけた。常に学級担任と連携を取り、学級での児童の状況や、指導に困っている子どもの状態を把握しておくことは、一番大事なことである。そして、その状況から支援が必要だと考えたときには、校内委員会で取り上げたり、緊急の場合は、関係職員での会議をもち、個々の子どもに必要な支援を話し合ったりした。 

○専門機関との連携
 学級の中で課題を持つ子どもの状態よって、校内委員会を開いて話し合った後、専門機関と連携を取ることが必要になる場合が増えてきた。教育研究所の相談員。市福祉保健センター内・子ども青少年課、家庭児童相談室、医療機関、養護学校とその機関は多岐に渡るようになっている。

 保健室への来室の多い子、不登校傾向の子、健康上配慮の必要な子、別室対応の必要な子、広汎性発達障害の疑いのある子、児童虐待の疑いのある子等、学級の中にはいろいろな子どもがいる。本人だけでなく、家庭に課題を抱えその影響から課題の生まれてくる子どもも少なくない。その多岐に渡る課題に担任一人が対応していくのは困難であり、他の児童への指導に支障が出ることにもなりかねない。課題を持つ子どもの担任の相談にのり、普段から様子を話題にすることで、個々の子どもにとってより良い方法が見つかったり、手だてに出会ったりすることが少なくない。
 担任一人に多くの問題に対処することを求めるのではなく、いろいろな担当で、多面的に子どもを見取り対応策を練り、支援を積み重ねていくシステムの構築が今後さらに大切になると考えている。
(彦根市河瀬小)