▼3月例会(第325回)の提案は川那部さん(附属小)。研究主題は「複数教材による習得と活用をつなぐ国語科の授業ー新美南吉さんを読もう」

▼複数教材を用いることの意図を次の3つにまとめている。@同一作者の作品を読み重ね、それらを比較することによってその作者の作品像や作者像がみえてくる。A同ジャンルの作品を読み重ねたり同ジャンルの作品と比較することにより、そのジャンルの構成や表現の特徴が見えてくる。B同様の話題を取り上げた説明文と文学作品を重ねることによって、その話題についてより実感を伴った学習展開をすることができる。

▼提案では「ごんぎつね」と「手ぶくろを買いに」を比較してテーマについて考え、意見をまとめるという構成であった。授業記録を細かく分析しながら、テーマを何にしようかと討論する過程について協議を深め、複数教材を活用した成果を位置づけた。

▼さざなみ句会高点句。幸ばかりあるとはいえず桃の花(常諾) 難問は解決もせず薄氷(北島) かくれんぼ早く出てこい筆の花(好光) しあわせは月並みでよし春の湖(中嶋) 春北斗明日の行方を思案する(海東) 石蹴りて石に近づく春の宵(伊庭) 川底の小石まろやか春の唄(吉永)

▼巻頭には、新田哲之先生より玉稿を頂きました。深謝。(吉永幸司)