国語辞典と仲良くなろう
蜂 屋 正 雄

 今年の4年生は国語辞典が大好きである。調べた言葉を増やすことが楽しくて仕方がない様子であ る。今年は学校をあげての「朝読書」ということで、机の横には本用の小さな手提げ鞄がある。そこに国語辞典も入れるように指示し学習に使用してきた。

 第一教材は、「こわれた千の楽器」(東書4上)。壊れた楽器たちがお互いの壊れた部分を補いあって演奏する物語である。 この単元では気持ちや様子を表す言葉に注目して、どういう読み方をしたらよいかを班で話し合い音読発表会をした。

 子どもたちが意味調べをした言葉は「きまり悪そうに」「演奏」「名案」「夢中」などであった。特に、「名案」や「夢中」という言葉を分からないままでは読み方の工夫のしようがない。これらの「大切な」言葉は全員で確かめ、ノートに書き残しながら学習を進めた。

 また、複合語の学習として「高まど」を挙げた。「高い」ところにある「まど」というように、「高まど」としては載っていなくても、分けて調べると言葉の意味が見えてくる。子どもたちが一度は調べて意味の出てこなかった言葉、「おどりあがって」「おし上げられるように」「ききほれました」「ふき上げました」といった言葉をどうしたら調べられるかみんなで考えながら調べて、音読の工夫へとつなげた。

 国語辞典には調べた言葉に付箋をつけるように指示した。1人に100枚の付箋を渡し、100枚達成したら、別の方法に変えるように伝えた。これが目標になったようで、2週間目にして、100枚貼り終わった子どもが出てきた。これ以降は赤色蛍光ペンで進めていこうと考えている。付箋を貼る理由は「調べた言葉の量が見て分かる」ようにしたいからである。100個程度調べると、次から蛍光ペンに変えても、ほかの言葉を調べたときに、前に調べた言葉と出会い、ちらっと見直すこともあると思うが、はじめから蛍光ペンだと、やる気が盛り上がる前に飽きてしまうと考え、100枚とした。

 また、国語辞典はほかの科目の学習にも大変活躍する。特に社会科ではゴミや水の学習をしているが、施設や設備の名前は読みにくい言葉がたくさん出てくる。浄水場の「配水池」も「配水」と「池」を複合語のようにして調べることが必要であったり、「配水」と「排水」の違いを漢字と意味を元にして、今調べている「はいすい」はどちらかなどを考えながら進めることができた。
(草津市立笠縫東小)