メールで気持ちを伝えよう
弓 削 裕 之

 コンピュータ室がリニューアルされ、1人1台のパソコンが実現した。子どもたちへのお披露目と、情報モラル教育の意味も込め、電子メールを用いた授業を行った。
(1) ペアになったクラスメイトに伝えたい気持ちを考える。(ワークシート)
(2) 伝えたい気持ちがうまく伝わるようメールの本文を考える。(ワークシート)
(3) 教師のチェックを受け、自分の文章を見直す。
(4) 実際にパソコンでメールを送り、相手から届いたメールを読む。
(5) 学習の感想を教師のアドレスに送る。

 注意することとして、次の3つをあげた。
oメールを読んだ相手が嫌な気持ちになる文章は作らないこと。
o先生からOKをもらった文以外は送信しないこと。
oその人だからこそ伝えたいメッセージを考えること。

 事前に注意を促していても、相手を傷つけてしまうような文章を考えてきた児童がたくさんいた。顔を合わせて会話をすれば何でもないような言葉も、感情が読み取れない無機質な文字になれば、誤解を与える恐れがあることを再度認識させ、慎重に言葉を選ぶことの大切さを伝えた。
 思い切って遊びに誘ったり、その子のよいところを見つけたり、面と向かっては言いにくい「ごめんね」や「ありがとう」を伝えたり…。全員が、相手の姿を思い浮かべ、メールならではの文章を作った。

「こんにちは。いつかいっしょにトランプをしませんか。」
「おもしろい本を教えていただけませんでしょうか。よろしくお願いします。」
「体育の時間のドッチボールがんばっていますね。これからもがんばってください。」
「いつもいっしょに遊んでくれてありがとう。またいっしょに遊ぼうね。そしてずーっと友だちでいようね。」

 メールで送られてきた学習の感想には、「メールで自分の気持ちを相手に伝えるのは、とてもむずかしい事がわかりました」のような気づきの表れや、「またいっしょに遊ぼうね、と相手の人が書いてくれてうれしかったです」「実際に言葉で言えないことが言えてよかったです」「先生、私はあんまりAさんと話したことがありませんでした。今日のことでAさんのことがよくわかりました。ありがとうございます」などのうれしい言葉が見られた。
(京都女子大学附属小)