話し合いっておもしろい
西 村 嘉 人

「今日のわたしたちのグループの話し合いのテーマは、『許せる失敗と許せない失敗。ちがいはどこにあると思う』です。話し合いの進め方を考えます。」
「許せる失敗をみんなで発表していったらどうですか。」
「許してもらえた失敗でもいいですか。」
「それもいいと思います。」
話し合うグループの周りを参観するグループが囲み、程よい緊張感の中で話し合いが進む。

 5年生の1月教材。「意見を整理しながら、目的に向かって話し合おう〜『失敗』をめぐって」の学習。
 なかなか「話し合い」の学習をうまく進められなくて悩むことが多いのだが、今年はおもしろい学習を続けることができた。

 第1時。
 指導書の付録CDを使って、
「話し合いの見本になるCDがあるので、どれだけこのCDで勉強できるか、挑戦してみましょう。話し合いのいいところをいっぱい見つけてみましょう。」と、学習のねらいを話してCDを聞かせた。子どもたちの発表をまとめていくと、教科書に載っている「話し合いの手順」そのままになってくる。すかさず、
「ほんとにすごいね。君たちのことばの力って。教科書がいらないぐらい!」
とほめてみた。このことばが子どもたちの学習意欲に火をつけた。
「早く、ぼくたちも話し合いがしてみたい。」
という意欲的な学習感想である。

 次の時間には、
「『失敗をめぐって』〜失敗を防ぐにはどうすればよいか。」
と教材CDと同じテーマで話し合い学習をもった。
 さらに次の時間には、
「前の話し合いをふり返って、よい話し合いを作る工夫を考えよう」
のテーマで話し合い学習をもった。この話し合いのグループは、前時の話し合いグループのメンバーが1人ずつ集まる構成を取った。学習感想には、
「他のグループに話し合いの様子が聞けてよかった。次は自慢できる話し合いをしてみたい。」
というものが多くあった。

 そして冒頭の話し合いの時間である。話し合うテーマは、話し合う直前にくじで引いた封筒に書いているもの。話し合いの制限時間は15分。それでも慌てることなく、「話し合うテーマを理解して、順番を考えて話し合いを進めた子どもたちである。
「僕らって話し合いがうまいのかなあ。」
の感想はちょっと言い過ぎ?
(彦根市立城南小)