アンケート用紙を作る学習
海 東 貴 利

 「生活を見つめて」(光村4下)という単元で、生活の中で疑問に思ったことをアンケートなどで調べ、わかったこと・考えたことを報告する文章を書いて交流し、生活を見直すという学習がある。
 学習のはじめに、この単元の大まかな学習の流れを説明し、学習の見通しを持たせた。

 次に、自分たちが調べるテーマを決めさせた。調べる内容は、自分が調べてみたいと思うことの他に、発表を聞いた相手が知ってよかったなと思えることを条件に考えさせた。それぞれのグループが考えたテーマは「4年生の寝る時刻」や「4年生の好きな芸能人」「4年生の将来の夢」など、4年生の身近な話題をテーマにすることが多かった。

 さらに、調べるテーマについて答えを予想し文章にまとめたあと、調べるためのアンケート用紙を作る学習をした。教科書にもメモを作るときのポイントが書かれてあり、参考にしながら作ることにした。次のようなことに気をつけた。
・質問に答える人が、どんな答えを書けばいいのかはっきりわかるように作ること。
・選択肢を作って、答えを選ぶ形式を作ってもよいこと。

 子どもたちは、「あなたの将来の夢は何ですか」や「あなたは何時に寝ていますか。次の中であてはまるところに○をしてください」といった質問を考え、アンケートを作り始めた。
 自分たちが考えた質問には、こんな答えが返ってくるかもしれないと読み手の反応をいろいろ想像しながらアンケート作りの学習は進んだ。「選択肢を作った方が答えやすい」「例を横に書いておいた方がいいかな」など、子どもたちから工夫を凝らしたアイデアも出て、アンケートはできあがった。その様子はとても楽しい学習活動だった。自分という書き手の頭の中に読み手の反応を想像するという「相手意識を持つこと」で、子どもたちは「わかりやすく書かなければ伝わらない」という気持ちになっていた。

 学級会や児童会の活動でも、アンケート用紙を作ることがあるが、その作り方や書き方の指導をしたことがこれまでなかったことを反省している。

 大事にしなくてはならないことは、書き手の伝えたいことをはっきりさせること。次に、アンケートに答える人が、どんな思いで答えるのかという、読み手の立場に立って書くこと。
 相手のある「書くこと」の学習では、いつも自分の中に読み手を想定し、その相手の反応を想像しながら書くことの大切さをアンケート作りの学習から学んだ。
(高島市立青柳小)