「読み合う」ことで深め合う
白 髭 英 之

 4月当初から、学習の中で「話し合う」「聞き合う」ことはもとより、書いたことを「読み合う」活動を重視してきた。 「読み合う」ことでいろんな考え方や表現方法を知ったり、自分の考えを高めたりするなど、みんなで学び合いという願いからである。

 2学期の後半の「平和のとりでを築く」(光村6下)では、「平和」に関する課題を設定し、自分の考えを書く学習に取り組んだ。その中で、それぞれが書いた後にノートを交換し合い、友達の考えを読み、考えをよりよくするためのアドバイスを書き合うことにした。そのアドバイスを追ってみると、
●活用した資料の内容と、自分の考えの区別をはっきりさせた方がよい。
●〜行目の「そこで」からは段落を変えた方が読みやすくなる。
●戦争がなくならないことを疑問に思っているなら、そのことについて自分の考えを書けばよいと思います。
●一文一文が長いので読みづらい。適当なところで文を切ればよいと思う。
●少し自分の意見が少ないなと思いました。〜の間にも、自分の意見を入れたらよいと思います。
といった内容が書き込まれたいた。
 以前は、「よくわかった」「よく書けている」などと抽象的なアドバイスばかりであった。それこそ「何がよくわかった」のか「何がよく書けている」のかがわからなかった。何度か経験するなかで少しずつではあるが、具体的にアドバイスができるようになってきた。このような学習を続けることで、発表を聞き合うことができる確かな聞き手、相互の学習を深め合うことができる確かな読み手を育てることができればと考えている。

 学習感想に以下のようなことを書いた子どもがいた。
◆ぼくが書いたことが伝わったということはうれしかった。そして、自分の課題をはっきりさせもっと自分の考えを書き、友達の考えをもとに「もっとよりよい論文を書こう」と思いました。
◆みんなの意見を知って、「やっぱり自分だけではなく、他の人の意見を知ることは大切だな」と思いました。

 私自身、この学習を通して「〜さんは、こんなふうに考えることができるのか」「〜さんのこの書き方すごいなあ」などと、友達に対する理解が深まったり、よさに気付いたりする機会になることを実感できた。そして、これらのことはよりよい学級集団づくりにつながっていくであろう。
(彦根市立城南小)