文章の構成を捉え、説明する文章を書く
海 東 貴 利

 「アップとルーズで伝える」で、説明文の「問い」と「答え」をつかみ、写真と文を対応させながら読みを深める学習をした。第4段落と第5段落の書かれ方や文章構成に重点を置いて学習を深めてきた。効果的に使われている接続語や文末表現、共通して使われている言葉などに着目してきた。
 そして、読み取ったことをもとにして説明的文章を書くという表現活動にも取り組みたいと考えた。表現の活動を学習の中に入れることで、わかりやすく伝えるための力をつけたいと考えた。学習の大まかな流れは次の通り。

1、学習のめあてを確かめる
 前回の学習をふり返ったあと、第4段落と第5段落の書き方をまねして、問いと答えのある説明的文章を書くことを確かめた。教科書ではテレビのサッカーの中継画面を使って説明されているが、今回は、教師が用意したお祭りの写真を使った。

2、2枚の写真から、分かることと分からないことを見つけ、ワークシートの表に書いてまとめる
 アップの写真は、御輿を担いだ人の表情を写している。ルーズの写真は、観客席まで満員のお祭り会場全体を写している。2枚の写真から、それぞれ分かることと分からないことを見つけ、表にまとめた。アップの写真を見ると、「顔が真っ赤です。だから、疲れているのかな」「何人いるのかわかりません」。ルーズの写真からは、「会場にたくさんの人がいるのが分かります」「みこしを持っている人たちの顔つきや表情、気持ちは分かりません」など、2枚の写真を比べながら、たくさんの情報を取り出すことができた。教科書にあるテレビの画面と同じように、アップでは細かい部分がよく分かり、ルーズでは広い部分がよく分かることもつかめた。

3、2の学習活動をもとにして、アップとルーズのちがいを説明する文章を書く
 最初に「アップとルーズでは、どんなちがいがあるのでしょう」という問いの文を、最後には、「このようにアップとルーズでは伝えられることと伝えられないことがあります」という答えの文を書くというきまりで書かせた。また、分かりやすい文章にするために、前回の学習で学んだ第4、5段落に共通する言葉や接続語もつかって書くという約束も与えた。子どもたちは、写真から取り出した情報をもとに、きまりを守って書くことができた。筆者の説明的文章の書き方を学ぶことで、自分でも同じ説明的文章を書けるんだという有用感を持って学習することができた。
(高島市立青柳小)