ゴミ問題を考える 〜資料を活用する〜
西 村 嘉 人

 教科書を開けたとたん
「あれっ!嘉田由紀子さんって滋賀県知事やん。」
と子どもが気づいた。教科書に掲載されている資料「ごみ問題ってなあに」(光村5上)の筆者名を見てのことである。
 教科書には「資料」と書かれている。読解のための説明文教材として扱うのではなく、資料としての活用を考えることが必要になる。
 そこで、次の2つのことに活用するために「ごみ問題ってなあに」を読むことにした。
●「単元の後半で「ごみ問題」について意見文を書くときの参考文献として読む。
●「ごみ問題」についての意見文を書くときの、文章構成のモデルとして使う。

 さて、「読む」学習である。
「嘉田さんはどうなるとごみになると説明しているか、ラインを引いてから、自分で分かりやすくまとめよう。」
「嘉田さんが挙げた2つの具体的な例をまとめよう」
「嘉田さんがこの文章で伝えたかったことをまとめよう」
の3つの課題を示し、文章から必要な情報を拾い集める学習を進めた。学習の手順は
 o文章に必要な箇所に線を引く。
 o線を引いたところを学習プリントに書きまとめる。
 o書きまとめた内容を自分の言葉で整理する。
のようにした。これは、後で「ごみ問題」について調べ学習を進めるときに、資料を短時間で有効に活用するための手順として生かすことを意識してのことである。
 また、「具体的な2つの例はどんなねらいで用いたか考えてみよう」
という課題を示し、具体的な例を用いる意図を考えさせ、自分が意見文を書くときの具体例選びの基準作りをさせた。

 今、子どもたちは意見文を書くための準備を進めている。ごみ問題に関する資料(わたしが用意したもの)に、マーカーペンでラインをいれ、付箋に内容を簡単にまとめ資料に貼り付けていく学習活動を行っているところである。
 これまで、総合的な学習の時間や社会科、理科の時間に調べ学習をすると、資料を丸写ししていた子どもたちが、取りあえず資料を一読し、使えそうなところにラインを引いてその内容を要約しているのである。子どもたちが
「先生、なんかかっこいい勉強の仕方やなあ」
とつぶやき、マーカーペンや付箋を使っている。ちょっと背伸びした学習法に喜びを感じたようだ。
(彦根市立城南小)