速読みって、面白い!
西 村 嘉 人

 年間計画を少し変更して6月下旬から学習を始めた「サクラソウとトラマルハナバチ」(光村5上)。
 導入の1時間は、ひたすら音読をするだけの学習を試みた。(学習参観日だったので…)
 1回目…句点交替で音読。
 2回目…一斉音読。
 3回目…範読を聞く。
 4回目…速読み(はじめに速度を提示して)
 1時間に4回の音読(範読を含む)を試みた。子どもたちが興味を示したのは「速読み」であった。子どもたちに「速読み」の効果を次のように説明した。
「速く読もうとすると、目は今声を出して読んでいるところより先の文を見ています。次に、何が書いてあるか分かって読むのですから、速読みが本当にすら すらできるようになったら、この文章がしっかり分かっていると言うことができます。」
 この言葉で、子どもたちは「速読み」にのめり込んだようである。

 毎時間、学習のはじめに「速読み」か「句点交替読み」を取り入れた。学習時間の終わりの学習感想にも、
速読みはまだまだおそいし、むずかしいので、練習をしてしっかり口を開けて読めるようにしたいです。

 今日は、昨日よりももっと上手に速読みができるように練習しました。昨日よりもうまくできるようになりました。

 先生が言った通り、速く読むと意味がよく分かった気がしてきました。
などと書く子どもが多くあった。自分で家庭学習に「速読み」を取り入れた子どももあった。

 この説明文を「速読み」の練習教材に使おうと思ったわけではない。実際の授業では、「段落相互の関係」を探りながら、意味段落の「要点」を書きまとめたり、全文の「要旨」を書きまとめたりする学習に多くの時間を費やしたのである。
 しかし、子どもたちの印象は「速読み」だったようである。次の単元でも、子どもたちは「速読み」を時間の始めにやりたそうであった。(実際には、しなかったが)家でも、「速読み」の練習を自主的に続けた子どももあった。
 「速読み」にチャレンジすれば話の中身がよく分かる。そんな実感が持てる学習時間だったようである。
(彦根市立城南小)