ともこさんは どこかな (話す・聞く 2年)
中 嶋 芳 弘

 「朝の会」の「お話タイム」で、当番が自分のくらしをふり返って、短い日記風(3文程度)に話をする。「帰りの会」で「今日のニュース」を発表する。仲間の前で発表する活動を1年生の時から続けている。毎日、話したり聞いたりする場はあるが、みんなの前で話すのが苦手で小さな声でしか話せなかったり、順序よく話せなかったりする子もいる。また、授業中に仲間が話している途中で言葉を挟んだり、隣同士でおしゃべりをしたりと集中して話を聞くことができない子もいる2年生。

 そこで、じっくり話を聞く態度を育てたいと考え、学年目標のひとつに「話し手を見て静かに聞ける子」を掲げた。そして、学級内で担任による「読み聞かせ」をしたり、「学年集会」で「昔の話」を「聞く」時間を設定。「話す」ことの指導の場として、「音読集会」や「たねおくり集会」、「やさい・いきもの集会」など相手意識を持たせ、みんなの前で話す活動を取り入れてもきた。

 何度もそんな場を体験することで大きな声で発表できる子も増え、集会の時間に友だちの意見を静かに聞く態度も育ってきた。

 「話すこと」「聞くこと」の力は、日常生活をスムーズにしていく上で大切なことと考えて取り組んできた。しかし、人前で話すことを苦手とする子もいて、どの子にも声を出して話す活動をさせていくことは難しい。そんな実態を考え、ゲーム感覚で行える「話すこと・聞くこと」の学習を設定した。ここでは、聞き取りやすいように話すこと、大切なことを落とさずに、注意して聞くことを学ばせたい。

 学習内容は2つある。1つ目は迷子の特徴を話してもらい、しっかりと聴き取り、迷子の子を見つけるというものである。情報を聞き取り、その特徴を具体的に、正確にイメージしていくもので、注意して「聞く」という活動である。2つ目は、絵の中から迷子にする子を選んで、そのお知らせをする「話す」活動である。「聞く」ときに注意したポイントが、どんなことだったかを思い出しながら、必要なことを落とさずに伝えさせたい。

 そこで、「大切なことを落とさずに順序よく話すこと」「大切なことを落とさずに聞くこと」というめあてに到達できるように、子どもたちの実態から、ワークシートとして「おたすけカード」「キーワードメモシート」「アナウンスシート」「アナウンス練習シート」「友だちのもんだいを考えようシート」を用意し、一人ひとりが具体的に活動していけるように学習過程を工夫した。
(彦根市立河瀬小)