エッセイを書く 〜5年生作文教室〜
北 島 雅 晴
エッセイは、日々の生活の中で感じたことを自由に綴った文章である。子どもたちの学習経験としては、生活文や日記文が近いものとなる。 エッセイを学習として取り上げた理由は大きく2つある。 ○より読み応えのある日記を書いてほしい。そのためには、よい題材を選ぶとともに、出来事だけでなく自分の考えも書くようにする。エッセイを書く経験は日々の日記にも生かされるであろう。 ○エッセイは、相手に読んでもらうための文章である。友達に自分の考えを伝えたい、友達の作品を読んでよかった、という学び合いのきっかけを作りたい。 【第1時】 エッセイという文章がどんなものかを考える学習をした。4年前にエッセイの実践をしていたのでその時の3作品を例文として使用した。 @ 3作品のうち、一番好きなものはどれか。 A この作品をエッセイというのだが、ふだん書いている日記とどこが違うか。 について考え、エッセイについてのイメージをつかんだ。 (以下、Aの発言より) ・ 日記よりも文章が長い。 ・ 日記のように出来事を書くだけでなく、自分の考えを書く。 ・ 会話文をよく使っている。 ・ 誰かに話すように書いている。 【第2時】 エッセイを書いて友達に伝えたい題材を考えた。家族、まわりの出来事、見つけたこと、ニュースを見てといったように、身の周りに目を向け、幅広く題材をさがした。 (20分間で5つ題材をさがしてみよう、と働きかけた。) 見つけた題材を友達に読んでもらって、一番読んでみたい題材を選ぶといった活動を行った。次の時間にエッセイを書く時の参考にするためである。 【第3時以降】 (1) 5分間で構想を練る、20分間で記述する、という活動。この間は話をしないで取り組む。字数は400字程度。 (2) 完成した友達のエッセイを読んでコメントを書く。ただし、前時で完成しなかった子は、続けて書いて作品を完成させる。 (1)と(2)をあわせて2時間とし、この過程を何度か続ける。子どもたちは友達の作品を読むことに興味をもっている。また、友達からどんなコメントをもらえるのかを楽しみにしている。書くことで伝え合うという学習は今後も大切にしたい。 (草津市立志津小)
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