創作文を書く〜5年生作文教室〜
北 島 雅 晴

【第1時】 準備運動
 子どもたちが一番楽しんで書くのは、創作文(お話づくり)である。どんなお話にするのか、書く前に十分に考えておくことが、いい創作文を書くためのポイントとなる。ものごとを柔軟に考えるために、お話づくりの準備運動を行った。
 3つの題名を提示する。
 ア ふしぎなぼうし
 イ パックンチョ・キッチン
 ウ ホームランのやくそく
 「ウ」以外は、4〜5年生の子が、実際につくった作品である。このうちの1つを選んで、どのようなお話だと思うか、想像したことを書くように働きかけた。
◆女の子が、歩いているとぼうしが落ちていて、拾ってみるといろいろなものに変身できるぼうしだったという話。
◆パックンチョという食いしんぼうの犬がいて、台所をあらしまわる話。
◆今日の野球の試合で、お母さんにホームランを打つやくそくをするのだが、本当にホームランを打ってしまうお話。
 想像したことを友達どうしで出し合い、いろいろな考え方があることが分かった。
 最後に、ア・イ・ウ、3つの作品を実際に読んで、授業を終えた。

【第2時】 構想を練る
 前時の作品は、それぞれ、ふしぎな話、おもしろい話、心温まる話の作品例として取り上げた。この3つのテーマの中から1つを選んで、お話づくりの構想を練るのがこの時間の学習となる。
 お話をつくるまでに準備をしなければならないことを考えた。
 @あらすじ   A登場人物   B書き出し   C終わり方   D主人公の性格   Eさし絵
 @〜Eについて、必要な事柄を選んで考え、準備ができた時点で書き始めるように指示した。

 今までは、学習プリントを作って、そのわくに必要な事柄を書き込んでから記述するという段階を追ってきたが、今回は、学習の進め方を子どもに任せてみようと考えた。頭の中で素速く考えをまとめてしまう子にとっては、この学習プリントの記入が退屈な時間になってしまうこともある。考えがまとまった段階で書き始めるのが一番よい。逆に、@〜Eの事柄について(特に@とA)、じっくりと考えたい子には、その時間を確保するようにした。準備時間15分ほどで書き始める子から、第4時にやっと書き始める子まであったが、ほとんどの子が、最終的に原稿用紙3枚以上書くことができた。
 作文の書き方には子どもの特徴があり、安心して自分のペースで書くことができる場を設定したい。
(草津市立志津小)