読書指導を振り返る
伊 庭 郁 夫

 毎回、校内研究会で授業研究と共にテーマに沿った実践交流を行っている。「全校読書」については、年2回交流した。火曜日・水曜日・木曜日の週3回、毎朝15分ずつの取り組みである。

 まず、「何のために読書をするのか」という目的を明らかにする必要がある。
 ○本を選ぶ力をつける。
 ○読書の楽しみを味わわせる。
 ○興味を広げたり、深めたりする。
 ○ポスターセッションをするために読む。
 ○語彙の拡充を図る。
等、指導者の意識により指導方法が異なってくる。

 各学年の取り組みを紹介し合う時間を持った。
【1年生】 5分前には、着席する。まず、読み聞かせから取り組む。絵本袋にいつも本が入っているようにし、隙間の時間も読む。
【2年生】 週1回は読み聞かせをする。机の横のフックに絵本袋をかけ、すぐに読める工夫をする。
【3年生】 前もって本を用意しておく。読み始めたら15分間は本を変えない。繰り返し読む。教師や児童でお薦めの本があれば紹介する。
【4年生】 前もって本を探しておく。図書室で本を選ばせる。早く読めそうな場合は、2冊用意しておく。
【5年生】 教師による読み聞かせをする。本の紹介をする。
【6年生】 週1回みんなで図書室へ行く。また、大津市立図書館和邇分所を活用する。

 2年生の週1回の読み聞かせは「学年読み聞かせ」である。3学級あり、担任が交代で読み聞かせをする。エプロンシアター、大型絵本、実物投影機を利用しての絵本の読み聞かせなどの取り組みである。最近、お話に対する反応も活発になってきたようである。
 どの学年も、本を事前に選んでおくことがポイントとなる。全員が読む本を決めておくことで、集中した時間が確保できる。

 また、興味深い取り組みとして、5・6年生の読み聞かせボランティアによる取り組みがある。ボランティアの方が7、8人来てくださる。学級の枠を外し、学年全体を4つに分けて、自分の興味のある教室で聞くのである。この取り組みにより、熱心に聞き入る姿がどの教室でも見られた。

 3年生と5年生の校内研の授業は、ポスターセッションであった。そのため、子どもたちは「昔話」や「伝記」を集中して読んでいた。そして、ポスターには自分の紹介したい場面を強調して書く。細かな文字などは書かず、口頭で説明するのである。本の読み込みや読解がポイントになる。
(大津市立和邇小)