授業風景より 〜初任者研修2年生〜
高 野 靖 人

 初任者研修の拠点校指導教員として、4校4名の初任者の授業を日替わりで参観している。3学期に入り、各学級共に子どもたちの落ち着いた学習態度や意欲的な姿が目に付くようになった。新年にかける子どもたちの決意の表れでもあるが、担任が落ち着いて授業を進めている証左でもある。子どもたち一人一人の姿がよく見えるようになっており、発問・指示に対する様々な反応にも慌てることがなくなってきた。

 国語の1月教材に「せかいのかくれんぼ」(東京書籍2年下)がある。日本のかんけりをベースにして、外国の似た遊びを紹介した説明文であるが、単元としては、他の遊びを調べて紹介したり、遊び方を改善するための話し合いをするなどの発展性を持っている。

 まだ、各学級とも進行中の授業ではあるが、参観した学習の一断面を紹介したい。
 ある学級では、説明文の中に書かれたインドネシアの遊びを学習する中で、「審判 がいるともめなくていい」と発言した子がいて、意見が分かれたらしい。そこで、参 観した時は、立場をはっきりさせてじっくり話し合う時間として設定されていた。@審判がいた方がいいか、よくないか、立場を決める。Aその理由をノートに書く。Bその理由を発表する(板書)。C質問や反対意見を述べ、討論風の話し合いをする。
 審判賛成派は、「もめない、けんかにならない」、反対派は、「じゃま、ぶつかる、もめたらじゃいけんすればいい」など。ただ、賛成派も「審判は担任(大人)」という思い込みがあったようで、「自分たちが審判を…」と言われて「えっ〜」、そのあたりで終わるかと思っていたら、「わたし、審判してもいいかも」と1人の女の子がつぶやいたりして。結局、「審判のいるケース」と「いないケース」の両方を実際試してみた後、再度考えようということで、その時間は終わった。この結果は、次週訪れるときに聞くこととなる。

 別の学級では、説明文の発展として、班毎に世界の遊びを紹介するために、担任が資料集を作成し、そこから遊びを選ぶ時間を参観した。中国・韓国・ヨーロッパなどの遊びが、班の数の2倍程度編集されている。班のメンバーで、遊びの概要を見ながら選ぶ作業も、楽しそうだった。同じ遊びを選んだ班もあったが、代表じゃいけんなどで決めていた。紹介する遊びが決まった後は、準備物や遊び方を確認しながら、ワークシートに記入していたが、ルール等の変更も認められているので、役割分担や練習も含めて、発表までに2時間程度班での学習が設定されている。次週の参観が楽しみである。
(大津市立仰木の里小)