第19回「新しい国語の授業」研究会【案内】
ほんものの国語教室の条件
森  邦 博

 昨年の1年を漢字1文字に表すと「偽」だと言う。社会は「偽」を反省、否定し、まさに「ほんもの」を求めている。
 そんな中で、第19回「新しい国語の授業」研究会を2月23日(土)、「G−NETしが」(近江八幡市)で開催する。

 子どもの学力、読解力の低下が危惧され、また、「学ぶ意欲が希薄」と指摘されており、これらの課題に正面から取り組む実践が求められている。このことから今回の研究の視座を「ほんものの国語の授業」に据えたのである。
 もちろん、子どもが意欲的に学び、確かに言葉の力をつける国語の授業は、授業者としての不易の願いでもある。その思いを1時間1時間の国語の授業中の具体的な子どもの姿の変容に置き換えて工夫・努力してきた。そして「確かに子どもが伸びた!」と実感できた授業の体験も持っているのではないだろうか。そのときの子どもの姿を見つめなおしてみると、そこにはきっと「偽」ではない「ほんもの」の国語の授業つくりの課題に対する答えが見つかるはずである。このことを参加者と共に語り合いたい。子どもの姿にこそ「ほんものの条件とは?」の答えがあるはずである。

 そのため、研究会では授業実践の提案に学ぶ場と、学年始めから学年末を迎える今までの国語教室の歩みを実践者に語っていただく。その時々の子どものエピソード(反省もあるし「コレだ」という嬉しい場面も…)を紹介していただき学び合いまた、交流したい。子どもの姿にこそ、良い実践の答えがあると考えるからである。そのとき何がそこに働いていたのか、だから私たちはどうすればよいのか、自らの取り組みを振り返り、次年度への意欲につなげられたら嬉しい。子どもたちは「楽しくて言葉の力のつく実感のある国語の授業」が好きである。これを研究の課題とし、「ほんものの国語の授業」でそれに答えたいものである。

 今回、記念講演講師としてお迎えすることができた 杉みき子先生は、雪の降る彦根で開催した第1回の研究会でお招きした。今回2度目のご講演である。
 先生は、上越市在住で、『雪の下のうた』『小さな雪の町の物語』など雪を取り上げた作品も多く、教科書教材「わらぐつの中の神様」も印象深い。そのほか「コスモスさんからのお手紙です」「とび出し注意」が教科書に掲載されている。
 ペンネームの由来は「高田は杉の木が多いし、花という柄ではないので、ただ立っているだけの幹のほうが似合っている」からとか。お人柄が滲む。
 ぜひ多数のご参加を期待しています。
(大津市教育委員会)