「どんな話だったのか」説明する力をつける
岡 嶋 大 輔

 読んだ話について「どんな話でしたか」と聞かれた時に、2年生なりにポイントをしぼって答えられるようにと考えて、「かさこじぞう」(東書2下)を中心に昔話を扱い学習を進めていった。

 「かさこじぞう」の文章をつまらずに音読できるようになった頃、その話を「○○(な)話」というように一言で表すとしたらどうかと問うた。
 どの子もそれなりに一言で表し、「ちょっとくわしく」の欄にもその子らしい読みが表れた。この段階では、感覚的な思いつきで大いに結構なのである。

 次に、そうして書いたクラスみんなの一言を一覧にしたプリントを配付した。友達の書いたことも気になるのであろう、興味を持ってその一覧を読むことができた。そして今度は3人グループになるようにし、先程のプリントを一言ずつ切り離した38枚の短冊セットをそれぞれのグループに渡していった。これを、3人で相談して似ていると思う短冊同士をくっつけていき、仲間分けをしていった。短冊は38枚と一見多いように見えるが、同じであったり似ていたりする言葉が使われているものからくっつけていくことが分かり出すと、どんどん仲間分けが進んでいった。

 そうして3人グループで考えたことを一斉の場で交流した。
 交流の終盤、話題は『かんどうな話』の短冊をどうするかということに移っていった。
「『かんどうな話』というのが、どこに入りそうかというと、『ふしぎな話』のところに近くて、話を読んだ後の感想は感想だから。」
という発言があった。皆も頷き、それによって「読んだ後の感想」という「くくり」が作られた。

 そのように考えを出し合いながら、
@「いつ」のことが分かる
 「むかしむかしのある年の大みそかの話」等
A「登場人物」のことが分かる
 「やさしいおじいさんとおばあさんの話」等
B「話のすじ」が分かる
 「さいしょはこまっていて、さいごに楽しくなる話」等
C「読んだ後の感想」が分かる
 「楽しくて明るい話」等
という4つに大きく仲間分けすることができた。

 初発に近い状態でも38人の一言を集めて仲間分けをしていくと、話の内容を説明するのに必要な事柄を網羅することができるのだと驚いた。
 次時からは、@〜Cそれぞれについて「自分ならどう書くか。」と問い、学習を進めていく。
(滋賀大学教育学部附属小)