生き生きとした意見交流の場 〜笠縫東子ども環境会議〜
蜂 屋 正 雄

 びわこ学習の指定があり、全9時間でびわ湖の富栄養化について学習に取り組んだ。その締めくくりとして6年生で「子ども環境会議」を行った。はじめは緊張していた子どもたちが、だんだんと「話そう」「聞こう」「上手に伝えよう」と変わっていく姿がとても印象的であった。コーディネーターの中村先生の意欲をかき立てる「場」の設定や発問、授業の組立に学んだ学習であった。

 子どもたちはこれまでの7時間で、「生態系のバランスを実感するゲーム」「地域の川の水から汚れ具合の予想」「川の水で植物性プランクトンがどれだけ増えるかの実験」「家庭から持ってきたものにどれだけリンが入っているかの試薬実験」「下水道で働く方、ヨシを植えておられる方からのビデオ」を見て、家庭からの水が下水道を経てもびわ湖の水に負荷をかけていることや直接川に流すと大変負荷をかけることを学んできた。今回は、その学習のまとめとして富栄養化を抑えるには、どんなことできるか考える。

<場の設定>
 ・小、中、高、大学の環境の先生が自分たちの会議を見に来てくれている。
 ・クイズでは○か×をみんなの前で表明しなければならない。
 ・班で話し合った感想や意見をみんなの前で話さなければならないかも知れない。
 ・クイズや発表した結果が得点になり、対抗戦になっている。

<答えられる、言いたくなる工夫>
@誰でも答えられる、決まった答えはない質問から始める。
 (「自分が思っていたより、川は汚れていた」○か×かなど)
Aやり方に慣れたところで、学習してきた内容を問う。
 (「富栄養化を抑えるには何ができそうですか」など)
B評価し、励ます大人がいる。
 (がんばったり、工夫したりした結果が評価や得点に反映される)
 「もっとがんばれ」「すばらしい」「たいへんすばらしい」「おもしろい」の札が上がる。

 子どもたちは、前の人の言い方や受けた評価をみて、次の意見を一生懸命考えて言うようになった。はじめはとても緊張していた子どもたちも、評価が出される様子を見て、「おおー」と感嘆の声をあげたり、拍手をしたり、雰囲気を盛り上げていった。最後には、みんなで出し合った意見を代表の子どもが発表する場があり、「みんながびわこを愛するようになればいいと思います」といった、洒落た言葉で締め。みんなの笑顔と笑い、拍手をもらって会議が終わった。
(草津市立笠縫東小)