友達の文の「良さ」を取り入れて観察文を書く
岡 嶋 大 輔

 2年生では、身の回りで季節を感じるものや、自分で育てている野菜等を観察して文章に表す機会が増えてくる。そこで、友達が書いた文から観察する対象に対する目のつけどころやその文章の書きぶりの良さを読み取り、それを生かして観察文を書く学習に取り組んだ。

 まず、観察文を書き始めの時期には「ミニトマトの葉っぱの匂いはトマトの実の匂いとよく似ていた」というように、「どこ」の「どんなこと」が「どうだったのか」ということについて書くようにした。
 次に、いくつかの観察文が書き溜められた頃に、友達が書いた文を読み、その目のつけどころや書きぶりの良さを読み取っていった。そして、その読み取ったことを友達と伝え合うようにした。

 以下は、その伝え合いの様子。
 子どもが今までに書きためてきた観察文の中から、次の3つの「書かれていることは同じだが書きぶりの違う文」を教師が選んで提示し、子ども同士でその書きぶりの良さについて考え合った。
○わたしのきゅうりのはっぱは、手でさわるとざらざらします。はっぱは、だんだん上にいくほど小さくなります。(A子)
○ぼくのきゅうりは、はっぱがさくさくしていて、さわると「ちく!」といたくなります。はっぱは、上にいくほど色がこくなっていました。(B太)
○きゅうりのはっぱは、まわりはギザギザで、さわると気もちいいし、見るとハートの形でした。(C美)

 はじめに各々が気付いたことを2〜3人の小グループで出し合って交流のための「考えのため込み」を行い、その後に一斉の場で対話を重ねていった。その中で、
「葉っぱを触った感じを、ざらざらとか、さくさくとか、ちくっといたくなるとか、いろいろと書いています。」
「葉っぱの形を、ハートみたいに何かに例えているのがいいなと思いました。」
等と、書きぶりの良さに触れてたくさん発言することができた。そうして、同じ事柄でも、触るなどして感じた様子をそのまま言葉にしたり、何かに例えて表したりすることによって「どのように」観察文を書くとよいかが分かり、自分なりに工夫して表現することで分かりやすい観察文が書けることを押さえることができた。
 さらに、その後も友達の書いた文から良さを見つける場を繰り返し設けることで、それを自分の表現に取り入れていく姿がたくさん見られるようになった。
(滋賀大学教育学部附属小)