学級討論会をしよう
中 嶋 芳 弘

 どちらの立場を選んでも子どもたちが意見を考えられる話題をテーマとして討論会形式で主張し合う学習活動。次のことが中心的なねらいになる。
 ○自分の立場を明確にし、説得力のある発言をする。
 ○相手の立場や意見を考えながら、話の内容を聞き判断する。
 ○主体的に話し合い、話し合いの楽しさを味わうことができる。

 討論会は、くじ引きによって立場を決め、判定をつけずに、「聞くグループ」が質問したり、感想を発表したりする形で行うようにした。勝ち負けを判定するディベートとは違い、判定がつかないが、「聞くグループ」が質問や感想をまとめるといった、責任ある立場で参加することができるという利点がある。勝ち負けにこだわらず、言葉による表現の楽しさや、「話す・聞く」活動の大切さを感じてほしいと考えた。

 まず、教材文から討論の進め方について概略をとらえた後、討論の様子を詳しくつかめるように討論会の録音を聞かせた。

 論題に対する立場の決定は、8グループがくじ引きをし、グループ内で「始めの主張をする人」「質問する人」「答える人」などの役割分担をした。なるべく多くの子どもが発言する機会をもつようにするためである。「肯定グループ」「否定グループ」以外のグループは「司会グループ」と「聞くグループ」になる。今回、準備した論題は、次の4つである。
 ○動物園にいる動物は幸せである。
 ○あやまるときは、電話より手紙がよい。
 ○朝食はご飯とパンならご飯がよい。
 ○ユニフォームを決めるとき、白と黒なら黒がよい。
 まだ、討論会に慣れていない子どもたちは、論題で活動が大きく左右される。「動物園に…」は、やや難しかった。

 立論の際、準備の時間をしっかりとることで、より説得力のある意見にする工夫ができるようにした。また、話すことに抵抗をもっている子どもには、特に準備段階で関わり、自信を持って話せるように支援した。討論会には、理由を挙げながら自分の考えを発言したり、聞く人にわかりやすく発言したりすることなどをめあてとして臨ませた。
 討論会では、相手をやりこめるのはなく、相手の意見を尊重しながら討論が進むように見守り、進行がうまくいかない場面では、必要に応じて助言していくようにした。「続けて、討論会をしよう」という子どもたちの声を聞いた実践であったが、課題は山盛りである。
(彦根市立河瀬小)