「イースター島にはなぜ森林がないのか」
蜂 屋 正 雄

 「要約する中で筆者の主張を読みとる」ことを目標に指導した。
(1) 筆者が一番伝えたい部分を30字程度にまとめる。
 要約という活動をしたことがないため、自分の主観に左右されて、うまくまとめられず「わからない」「難しい」という感想が聞かれた。そこで、次のような視点を加えた。
(2) 題名「イースター島にはなぜ森林がないのか」に関係する文を選んで短くしてみよう。
 この指示で、自分の主観から抜け出して、筆者の意図に沿った要約ができるようになってきた。そこで、
(3) 接続詞にも注目してみよう、という視点を加えると、「まず」「次いで」「さらに」「このようにして」「すなわち」という、言葉を見つけて要約できるようになっていった。

 26段落すべてを4時間かけて取り組んだため、「はじめはできなかったけど、できるようになってよかった」「なんだかすっきりした」という感想がある一方で「できるようになったけど、もう要約はおなかいっぱいです」といった感想も見られた。ただ、全員のノートには自分の要約が残り、自信となって終えられたように感じる。

 次に、「文章の構成」について学習した。
「教科書に載せるような文章を書いている筆者も、みんなのスピーチ原稿や作文のように、〈はじめ〉〈中〉〈終わり〉という構成で文章を書いているんだよ」
と言って、「序論」「本論」「結論」はどこからどこまでかを探させた。
 〈はじめ〉序論…これからどんな話をするかについて書いてあるところ
 〈中〉本論…事実を述べているところ
 〈おわり〉結論…著者の考えを述べているところ
と、今までスピーチ原稿や作文でしている文章構成について復習をしてから始めた。
 第3段落の「問題提起」の文が序論になるのか、本論に入るのかで議論になった。話を聞いてみると、説明文でよく出てくる「問い」−「答え」といった構成もあまり意識したことがない様子だったので、この場は、「問い」の文は「答え」とセットになっているということを伝え、本論に入れた。

 子どもたちは「こんなすごい話を書く人も、僕たちと同じ書き方で書いていることに驚いた」「第27段落のことを言いたいために、こんなに長い文章を書いていることに驚いた」といった感想をもった。
 スキル的な学習が主になったが、できるようになったという実感の残る学習になったようである。
(草津市立笠縫東小)