| 全国連合退職校長会 編著 |
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| 明治図書 2007.3 2360円 |
教師を志したとき、誰もが「子供たちに慕われ、信頼される先生」になりたいと思う。初めて教壇に立ったとき、その思いは一層強くなる。そして、日々、努力を続ける。
しかし、すべてがうまくいくわけではない。努力が空回りすることもある。失敗もある。悪戦苦闘のあげく、疲れ果ててしまうこともある。いつの間にか、ほどほどの教師になってしまっている。本人のせいだけではなく、よき先輩や同僚に恵まれなかったという場合もあるだろう。
本書で紹介されている１９人の先生は、その思い（教師としてのあるべき姿）を持ち続け、新しいことに挑戦し、努力を続けている教師である。「条件」といえば、それしかない。
方法は、さまざまである。子どもの気持ちをつなぐ学級経営、子どもに自信を持たせる授業、体育であれ、道徳であれ、総合であれ、工夫された授業の積み重ねによって、子どもが変容していく。教師自身も変わっていく。そのような取り組みには同僚の支持が得られ、保護者や地域の人たちからの支援も得られる。
学校批判、教師批判ばかりが吹き荒れる中、そんな教師が各地にいることを誇りたい。（常諾真教）