拠点校指導教員として〜初任者研修〜
高 野 靖 人

 初任者研修の拠点校指導教員として2年目の春を迎えた。
 昨年度の今頃は、毎日勤務校が変わるという慣れない仕事に戸惑うことが多く、先の見通しもなかなか持てなかった。何しろ、私の勤務校(拠点校)でも、初任者は8年ぶりであり、私も含めて、拠点校方式(平成15年スタート)への周知も不十分で、自分の新しい立場を説明することに苦労することもあった。

 本年度は、大津市でも初任者が倍増し、当然拠点校指導教員も倍増された。初任者が2人配置された小学校も6校あり、ここ数年で大津市ほとんどの小学校が初任者を受け入れている状態だ。
 私の方も、拠点校は変わらないが、兼務校3校はすべて昨年度と異なっている。初任者が担任している学年も、昨年度はすべて4年生、本年度はすべて2年生。というわけで、兼務校回りでは、緊張感に加えて新たな発見もあり、新しい年度に入ったという新鮮な気分も味わっている。

 昨年度は、学級担任としての「かん」を取り戻すのに、少し時間がかかった。何しろ、最後に学級担任をしてから10年の歳月が流れている。その間、緊急事態として短期間の担任代理をしたことはあるが、あくまで教務主任との兼務であった。担任として、どの時期にどんな内容の研修が必要なのか。前年度の資料を参考にして、基本的には、4校共通の研修を計画した。そして、各校の行事などを考慮し、校内指導員とも相談して、最終的に拠点校指導日の研修(1日7時間)を決定し、実施した。実際には、各校で行事に微妙なずれもあって、タイミングのよい研修のできないこともあった。
 こうした反省を生かして、本年度は年間研修計画を全面的に見直して改善すると共に、各校の年間行事計画・月中行事をチェックし、できるだけ初任者のニーズに応えられる在勤校研修を実施したいと考えている。

 各学級の子どもたちに出会えるのは、1週間ごとでしかも2時間程度である。しかし、1週間ごとに見ることで、学級の雰囲気や子どもの様子などの変化に気づきやすいように思う。昨年度、実感した私の楽しみでもある。
 初任者による2時間の授業を参観した後、別室での研修は、いつも学級の子どもたちの話でスタートする。担任は、思いや悩みを表出し、私は1週間ぶりに見た子どもたちの様子・変化を語る。
 初任者が担任している各校の2年生。既に雰囲気の違いはあるのだが、これからどのように成長・変容していくのか。担任の成長を支える立場の私だが、そのベースとなる学級の子どもたちの成長を見守り支えることも、楽しみの1つである。
(大津市立仰木の里小)